１．「米国は借金を完済できるか？ドルは暴落するか？」
先週初め、世界的に権威のある経済誌・The International Economyの秋号が送られてきた。春号に続き、秋号にも寄港を依頼されていた。私が金融マンだったとき、世界中のほぼ全部の大手金融機関が購読していたろう「スミック＆メドレー」レポートの片割れスミック氏が発刊している雑誌だ。元外交官の5年先輩が「フジマキ君、The International Economyに寄稿を依頼されているの。そりゃ尊敬しちゃうな」とおっしゃってくださった。
秋号の論題は「米国は双子の赤字がすさまじくなっている。大統領選で、さらなる財政出動が約されコロナ関係費は膨大化している。ドルに危機は来るのか？米国は借金を返せるのか？全世界が債務を極大化させている。そして世界の主たる中央銀行はバランスシートを極大化させている。世界は、この状態をどうやって収束させるのか？その時、ドルはまだ世界の基軸通貨でありうるのか？」だった。
２．「世界は日本を注目し、日銀の顛末を見て軌道修正をするだろう」
The International Economyの秋号の私の回答を要約すると以下の通り。「財政事情の悪化度も中央銀行のバランスシートの肥大さも、日本は世界の中で特突している。『日銀は炭鉱のカナリア』だ。世界は日本を注目し、日銀の顛末を見て軌道修正をするだろう」。私の文章に編集者がつけた小見出しは「すべての法定通貨は減価する。しかし一番減価しない通貨が生き残る。それは世界の基軸通貨のドルだ」だった。
（↑イラストは妹・岡久美子のも：注：The International Economyには載っていない）
３、「ドルは暴落しない」
今、忙しくてThe International Economy他の人の文章をまだ読んでいないのだが、友人の廣瀬さんが読んだところ、「ドル危機が来るか？」の質問に対しての回答は「私を含めた5人がNO, 2人がYES, 13人の.結論はわかりにくい」だったそうだ。
財政問題でドルの危機を論じるのなら、世界断トツに財政状態が悪く、中央銀行がメタボの円は大大大危機のはずだ。ドルは弱くなるかもしれないが円は暴落だ。為替は相対的なものだからドル・円は暴騰である。
４．「円が暴落すると外国産農産物も買えなくなる」
昨日、私のtwitterに「職場の同僚が食料自給するために庭でイモを育て始めた話聞いて、笑えなかった」とのリツイートがあった。ハイパーインフレで円が暴落し、外国産農産物が高くて買えなくなることを危惧されたらしい。写真付きの私のリツイートは以下の通り。「沖縄のJA で見た宣伝です。バナナの木にかけてありました。思わず写真を撮ってしまいました」（「来る食糧不足 自給自足）と書いてありました）
５．「専門外の持論」
昨日、私のtwitterに医療政策に関しての質問があった。それを読んだ元金融記者で私の昔をよく知っていらっしゃる方がリツイートを書いていらっしゃった。「藤巻さんには、金融のことを聞くべきではあるでしょうが、医療政策を聞いてもご迷惑でしょう。苦笑。まあそういう勘違いが、この世の中溢れていますけど」私の反応は以下のとおり。「そうですよね～。私が堂々と医療に関しての持論を述べるのは、土木が専門の京大・藤井教授が、臆面もなく金融論・財政論を論じるのと同じで、国の方向を誤らせてしまう可能性大ですからね」。賛同意見が多かった。