「米国金利、ついに1.2%超え」「他

2021年02月13日

1.「米国金利、ついに1.2%超え」

昨日、ついに米国10年債金利が1.2%を超え1.21%となった。上昇はまだ序の口だと思う。ワクチン接種による景気回復に、財政ファイナンスによる需給悪化が加わり、かなりの長期金利上昇を予想する。名目長期金利=実質金利+期待インフレ率+信用リスクだが、3項のうち、後ろ2項が上昇するのだからターボが効く。1980年、米国では短期金利24%、10年金利は20%超えがあったことを認識しておかねばならない。日本でも1980年11月に10 年金利は11%をつけた。今後長期金利上昇の流れに乗った人が投資リターンが一番いいと思っている。その点では個人はTMV の買いがいいと私は思う。逆に言うと長期国債を大量保有している機関はアウト。そういう状態を回避するために、かっての中央銀行はどこも長期国債など買っていなかった。今は世界の中央銀行が買い始めたが、日銀は群を抜いて保有。長期金利が上昇したら、日銀がまずイの一番でアウト。その発行する通貨・円は紙くず。

2.「世界的な金利ベアスティープニング化」

世界的に国債金利がベアスティープニング化してきた。1か月前と比べると米国は2年△3、5年△1、10年+8, 30年+14, ドイツは2年△2,5年±0,10年+4 ,30年+14. 英国は2年+4,5年+7 10年+17、30年+18だ。いずれもbp(1bp=0.01% ) 日本だけ2年±0,5年±0,10年+3,10年+2とほとんど上昇していない。これからいえることは、①世界的にかなりの長期金利上昇が考えられる.②長期金利差拡大で円安が進行していく③日銀が危険状態になるということ。

「娘の健康が心配で、心配で」(95歳女)

昨日の日経新聞夕刊。(米国は)「中期の財政見通しを改定し、2021会計年度(20年10月~21年9月)の財政赤字が2兆2580億ドル(約240兆円)になると予測した」 そうだ。昔、毎日新聞に、載っていた川柳「娘の健康が心配で、心配で」(95歳女)をまたまた思い出す。ほのぼのとする句ではありますが、95歳なら、娘さんの健康を心配する前に、ご自身の健康に留意されてくださいね。米国の2021年会計年度の赤字249兆円、日本の2020年度の赤字は110兆円。米国が2倍だから米国はさ~大変と言うなかれ。GDPと税収はほぼ比例するが、米国のGDPは日本の4倍。日本の方が税金で借金返すのは2倍大変。平時から財政が危機状況なのに、今年のバラマキも米国の2倍規模。こういう記事を書くときは、ちゃんと日本の財政がいかに大変化にも触れるべきだと思う。そうでないと、読者は「あ、そう。米国、大変だね」で終わってしまう。大変なのは日本だ!!

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69043790S1A210C2EAF000/ 

4.「日銀はいつまでも利息の支払いを継続できるか?」

昨日、私のface bookに「日銀当座預金は、日銀が発行するものなので、利息の支払いができなくなることはないと思いますが、いかがでしょうか?」との質問があった。それに対し「まったくその通りです! 財政のことわからんのに、無知な人間に嘘、言ってるわ」と追随する書き込みもあった。

私の回答は以下の通り。「財政のことがわかっていない私が、財政を熟知している貴兄にお教えするのは僭越とは思いますが、回答を記します。物理的には莫大な額の金利支払いも可能です。しかし、そんな形で紙幣が発行されても信用され続けるか?というと話は別です。日銀が、新聞紙を1万円札の大きさに切って「1万円」と書いて渡すのは物理的には可能ですが、そんな紙幣をだれが信じるか?という話と同じとも言えます。日本人が、その紙幣を使って外国製品を買おうと思っても、そんな紙切れでは外国人は誰もモノを売ってくれないでしょう。ドルも売ってくれませんから日本は鎖国時代に逆戻りです。複式簿記でも考えてみましょうか。日銀の金利支払いは「(借り方)支払金利(貸方)日銀当座預金」となります。負債サイドの日銀当座預金を増やす(=利息を払う)には、借り方サイドでは資産の増か、負債の減か、または損失計上しかありません。後ろ2つは難しそうですから、「損失計上」しかないのです。「紙をいくらでも刷れるから支払うべき紙幣」は刷れるはずだとのお考えでしょうが、中央銀行はそれでは損の垂れ流しとなるということです。そんな国の紙きれは誰も信用しないという説明でもおかかりいただけませんでしょうか?」

5.「千葉市立美術館の「田中一村」展、あまりの長蛇の列でUターン」

本日は、木曜日の3連敗の汚名挽回、ではなかった、名誉挽回のために今日もテニスコートへ。2連勝で名誉は少し挽回、春のような天気と相まって気分爽快。明日、連勝して勝ち越しを目指す予定。昨日は上野東照宮で「冬牡丹展」を見学。上野2上野4

上野6

 

その後、都美術館で「吉田博展」鑑賞。すいているかと期待して行ったが、それなりに混んでいた。ダイアナ妃も愛した版画展なのだが、私は、友人のデザイナーの佐藤忠敏さん(ウインブルドンテニスのロゴを作った人)が推奨してくれてから、とりこになったほぼ同時代の版画家・川瀬巴水の方が断然、好きだ。伊東深水と上村松園くらいの差に感じる。

田中一村

口直し(?)に千葉市立美術館の「田中一村」展へ回ることにした。彼も佐藤さんが推奨してくれてからはまり、彼が晩年を過ごした奄美大島の美術館を2度見に行ったことがある(1回は佐藤さんたちと一緒)。箱根の岡田博物館にも見に行った。ところが昨日は、あまりの長蛇の列にうんざりしてUターン。自粛期間が終わったら、奄美大島の美術館を再訪することとした。帰りの道の駅で買った20箱850円の植木鉢はお買い得だった。本日の収穫。

花2