「ビットコインウォール街で受け入れ」「米財政のインフレリスク」他

2021年02月16日

1.「ビットコインウォール街で受け入れ」

昨日のブルンバーグ記事。テスラに續き「マスターカードも同社の決済ネットワーク上でカード保有者による特定の仮想通貨の取引を認め始める方針を示している」。流れには逆らわない方がいい。今では金融で欠かせないデリバティブの創成期と似ている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-02-14/QOJ9FIT1UM0X01?srnd=cojp-v2

2.「米財政のインフレリスク」

先週土曜日(13日)の日経新聞夕刊のウォ―ル街ラウンドアップ「今週、市場の話題となったのは元財務長官のローレンス・サマーズ氏だ。4日と7日に相次いでワシントン・ポスト紙に寄稿し『コロナ対策は規模が大きすぎ、インフレリスクを高める』と批判したそうだ。財政出動と、ワクチン接種による経済回復。今後の長期金利はかなり上昇しよう。1980年の米長期金利は20%を超えた。今の1.2%はあまりにも低すぎ。長期債保有者は無残なことになるだろう。利が乗っているうちに売り。個人なら長期金利上昇で儲かる投信(TMV・日本の証券会社で買える))の買いがいいと私は相変わらず思う。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69087750T10C21A2ENI000/

3.「欧米に2カ月遅れ」

本日の日経1面記事。「欧米に2カ月遅れ」というサブタイトル。これがポイント。これが日本の国力。政治力(交渉力、戦略のなさ)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF142CT0U1A210C2000000/

4.「価値の交換の対価であるお金の信用が、まずは基本のキ」

一昨日、私のtwitterに以下の投稿があった。「経済の地盤とは何ですか。お金ですか。違います。経済の地盤は生産能力です。黒字赤字は関係ない。モノやサービスを供給する力、これこそが経済の地盤です。財政黒字を優先し人材、技術、公共インフラ投資を怠ることが経済の地盤を揺るがします」

私の回答は以下の通り。「生産という経済の基盤の前に価値の交換の対価であるお金の信用が、まずは基本のキです。1年間一所懸命働いたお金でサンマ1尾しか買えなくなったら、国民生活は成り立ちません。だからこそ中央銀行の最大の責務は通貨価値の安定なのです。財政赤字、中央銀行の国債引受けはそれを危険にします」

5.「日銀の信用が棄損しても円は信用され続けるのか?」

一昨日、私のtwitterに以下の投稿があった。「日銀が損を垂れ流し続けても、金利は低いままだし、円は信用され続けいている現状を説明することは出来てないんですよね」

私の回答は以下の通り。「現状は、日銀は損を垂れ流していません。1兆4000億円程度の利益です。それが莫大な損を垂れ流し続ける事態になったとき(=景気が良くなった時)、外国人が円を信用すると思っているのか?と言っているのです」

6「デジタル通貨のメリットは?」

一昨日、私のフェースブックに以下の質問があった。「日銀券が無くなり、デジタル通貨になったら、どうなるのですか?教えていただけるとありがたいのですが。あと、5年もすればーー」

私の回答は以下の通り。「デジタル通貨の最大のメリットは、日銀が「伝統的金融政策(=景気が悪ければ金利を下げ、景気が良くなれば金利を上げる)に回帰できることです。ゼロ金利が効かなければマイナス金利に出来ます。現状のように物理的な紙幣では、マイナス金利にすると、タンス預金に逃げてしまいます。私の主張するマイナス金利政策は、預金にも適用されます。預金が一時的にマイナスになっても短期に景気が回復した方がいいに決まっていますし。今のような非伝統的金融政策でお金をじゃぶじゃぶにしてハイパーインフレを招くより1万倍マシです。長短金利差は確保されますから地方銀行に倒産の危機も生じません。なお、私はタンス預金に逃げようとも、非伝統的金融政策ではなく、マイナス金利政策をせよと20年以上前から主張していました(頭がおかしくなったと揶揄されながらも)

7.「韓国の通貨危機VS 来るべき日本の通貨危機」

一昨日、私のtwitterに以下の投稿があった。「先生の説明だと韓国の通貨危機の説明できませんよ。 韓国通貨危機は政府は黒字でしたが民間銀行がドル調達出来なくて起きております。 まして日本は米国債保有額世界一で供給力もありますからハイパーインフレなどおきようがございません」

私の回答は以下の通り「必要十分条件の話です。韓国の状況が通貨危機を生み出したのは確かですが通貨危機は必ず韓国と同じ状況で起こるというわけではありません。日本の通貨危機は日銀の信用失墜で起きます。中央銀行の信用失墜はどの国でも通貨危機を起こします。

8.「世界最大の純資産国で多大の個人資産を持つ国は財政破綻しないのか?」

昨日、私のtwitterに「日本は世界最大の純資産国で、1500兆円もの個人金融資産がある国なのだから財政破綻など起こらない」とのリツイートが来た、

私の回答は以下の通り。「外純資産は大部分はトヨタ等のお金で政府の金ではありません。国民の資産は私たちの資産で政府の資産ではありません。1100兆円もの借金が溜まってしまったのですから、国民の財産を税金で取り上げるかハイパーインフレで実質移管(国民(債権者)から国(債務者)へ)するしか手段がありません」。

その答えに対し「民間の対外債権の額が為替や国力に影響しなわけがない」との反論が来た。

私の回答は以下の通り。「もちろん為替相場や国力には民間の対外資産は関係します」。ただしその前提は、「通貨が信用されているならば」です。中央銀行が債務超過になり通貨の信用が崩れれば、どんな強国の通貨でも、どれだけ民間が対外資産を持っていようが紙くずです」

9.長期金利が低位安定し、円が暴落していないのは、将来的にも、円は今後とも信用され続ける証拠か?

昨日、私のtwitterに「今の長期金利は超低位だし、円も暴落していない。日本が信用されている証拠なのに、何を寝ぼけたことを言っているのだ」とのリツイートがあった。

私の回答は以下の通り。「国債金利が低位なのは日銀が爆買いしているからピリオッド通貨の暴落は中央銀行くが信用を失ったときに起こります。それもじわじわではなくある日突然起こります。債務超過はその典型。日銀が信用を失っていないのはまだ債務超過ではないからにすぎません」

10.「借りた借金は返さなくていいか?」

昨日、私のtwitterに「借金が増えることがなぜ悪い。借りた借金を返さなければいいだけではないか」との趣旨のリツイートが来た。

私の返信は以下の通り。「国債には満期があります。毎年赤字なので税収では返せません。そこで償還するために資金調達をします。借換債と言います。満期債を持っていた人が再度買ってくれる可能性もありますが義務ではありません。今は、買いたい人が少ないので、代わりに日銀が爆買しています」

11.「財政破綻かハイパーインフレjか?」

昨日、私のtwitter上で日本にデフォルトが起こるか否かで盛り上がっていた。その中に以下のリツイートがあった。「自国通貨建ての国債には通常はデフォルトはありません。 通貨を増発して購入できます。 問題はその通貨そのもの信用です」以下のような補足説明を加えておいた。「正確に言うならば、日本にデフォルトは起こりえます。しかし、今の政府・日銀がやっているように財政ファイナンスでデフォルトは回避し得ます。ただその結果は通貨の信用棄損でハイパーインフレです。どちらの選択も国民には地獄。高層ビルで火災にあって焼け死ぬか、墜落死するかの選択と同じです」 

12、「日本再生の処方箋」

昨日、私のtwitterに以下のリツイートが来た。「金融のプロで元政治家なら、どうすれば日本が良くなるかについてもツイートしたらどうですか?」

私の回答は以下の通り。「今まで本や新聞にいやというほど書いてきました。そちらをお読みください。必要なことは財政均衡、小さな政府、社会主義的経済運営をやめて新の資本主義国家へ。為替変動相場制(=実力にあった為替レベル=今の円は国力に比し強すぎ)等です。貴兄が私の主張を聞いていなかったことまで責任持てません」