「長期金利の上昇はまだ序の口」

2021年02月17日

「長期金利の上昇はまだ序の口」

米国10年債が1.31%まで上昇してきた。「藤巻健史の資産運用大全」(幻冬舎新書)でお勧めしてきたDirexion Daily 20+Year(長期金利が上昇すると儲かる投信)も年初来27%アップだ。世界的に株価が史上最高値を記録し、お金が史上まれにみるジャブジャブぶりで、ワクチン接種で世界経済が回復することを考えると、長期金利が史上最高にまで上昇(=価格は暴落)でも驚きはない。たとえそこまではいかないにしても、今の10年金利の1.3%はあまりに低い。インフレ率が2%になるのならどんなに低くても2%だ。1980年の米10年金利は20%超え。日本国債10年も11%。長期金利を中央政府がコントロールできるなどと思っているのは、日銀と日本人しかいない。その日銀自身も2016年11月まで「教えて!にちぎん」という一般国民向けのホームページに「中央銀行は長期金利を思いのままに動かせない」と書いてあった。長期債を買っている人は利が乗っているうちにMMF 等の短期の資産(=金利が上昇しても影響が少ないので値段の下落が小さい)に買い替えるべきだ。長期国債保有者は悲惨なことになると私は思う。今後、世界で一番利益を上げるヘッジファンドは「長期金利の上昇にうまく乗れた」ところだろうとさえ思っている。