日銀沈没、円紙くず化は着実に進んでいる(日銀の業務概況書を読んでの感想)

2021年05月31日

「日銀沈没、円紙くず化は着実に進んでいる(日銀の業務概況書を読んでの感想)」

先日発表された日銀の業務概況書を見ていると、日銀沈没、円紙くず化に向かって着実に進んでいることが見てとれる。長年の放漫財政、そして禁じ手中の禁じ手の「財政ファイナンス」で危機を先送りしてきたツケだ。

日銀保有国債の平均利回りがついに令和2年度上期で0.199%と0.2%を割ってしまったのだ。長期債に限ると0,227%にまで低下してしまった。

日銀保有長期債の平均利回りは平成30年度0.29%、令和元年度0.257%、令和2年度下期0,227%と着実にそして急速に低下している。保有国債の持ち値平均がどんどん上昇しているということ。現在10年物の市場利回りは0.07%、ほんの少しだけ市中の長期金利が上昇したら、評価損が発生するということだ。私がディーラーだった時なら一晩で動くくらいの余裕しかなくなってしまった。

それも保有国債額が大きいだけに評価損は急速に膨らみ、途端に日銀は債務超過に陥るだろう。こんな危険にさらされている中央銀行は世界でも日銀以外にはない。

日銀の信用は失墜し、その発行する通貨は紙くず化、ハイパーインフレへ一直線ということだ。注意した方がいい。

この私の分析を否定するための反論は以下の4つしかない。以下一つでも証明出来るのなら、私は「ハイパーインフレ真近説」を撤回する。

  1. 日本では長期金利が、未来永劫に、おおよそ0.227%を上回ることは無い。上回っても一時的だ。
  2. たとえ上回っても、日銀の言うように日銀は償却原価法を使っているから損を計上しない。外国人はそれを信じ、今は他では全く使用していない簿価評価で日銀の信用を評価する。
  3. 他国の金融機関は、日本のために株主利益を放棄し、日本を守るために日銀当座預金を閉鎖しない。
  4. 日銀当座預金を閉鎖しても、外国人が、日本国債、日本株式、為替取引を行う手段が存在する。