(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1.「明日はドル高ロケット発射の日」
ここまで,マスコミ報道がなされると、明日の日銀は利上げをせざるを得ないだろう、ということは明後日以降、日銀はインフレに対する手段を全て失う。明日は「中央銀行の体(テイ)を失う日」と言っていいのかもしれない。明日からの更なる利上げは日銀が(他中央銀行の比ではないほどの)とんでもない債務超過を招くことになり、日銀の自死、円の紙屑化を招いてしまう可能性大だからだ。
明後日以降、円高要因は何一つなくなる。70円から160円までの円安などかわいかったものだと思う。
2,「出来るならあと何回くらいの利上げが必要か?」
1985年から90年のバブル期のような資産インフレが始まっている。これは異次元緩和という美名(?)を付けた財政ファイナンスでお金をばらまいた結果、お金の価値が棄損したからだ。現在は1985年から90年の時より、格段にお金をばらまいている。この資産インフレはインフレに火をつける(注:資産インフレはインフレとは言わない、あくまでも資産インフレである)
今後は円安と相まって今までとは比較にならない物価高が始まるだろう。
この資産インフレやインフレを抑えるためには、日銀はあと0,25%の利上げを20回くらい行う必要があるだろうし、ばらまいたお金の大回収作戦も必要だ。しかし、明日の利上げ以降の利上げは不可能になるだろう、それ以上の利上げを行えば債務超過で円の紙くず化。ハイパーインフレの到来となる。
3.「これだけの財政赤字累積国でバラマキと減税に耐えられるのか?」
更なるバラマキや減税策で赤字国債増発は不可避となるだろう、少なくとも借換債を含む政府の国債発行は急増する。
一方、日銀は「国債買いオペを減額していく」という。2013年の異次元緩和以降、国債発行額の95%を買い取ってきた日銀が購入を減らすのだ(ちなみに私が金融マン時代の日銀の長期債購入額はほぼゼロ。昔に戻すといこと)。
国債の供給が増え、需要が減るのである、国債価格の下落(-長期金利の上昇)は明らかだ。
これでは日本は終わってしまうから、日銀は国債買いオペ減」との前言を引っ込めて「国債爆買い」を継続することになると思われる。この日銀の前言ひっこめ自体、円の大暴落を招く。
「国債爆買い」の継続は円の更なるバラマキである。円はさらに希薄化していく(=円安ドル高)。
以上、日銀はもう摘んでいると私が言う理由だ。
4.「日銀が債務超過になるとどうなるか」
以下2023年の9月3日の日本金融学会での植田日銀総裁の講演録一部。
総裁の立場での発言だから「債務超過になっても大丈夫」を繰り返しているが、「債務超過が怖くて、怖くてたまらない」ことがわかる。今までも日銀が「なんやかんや理由をつけて利上げを回避してきた」理由であり、「明日以降の利上げが出来ない」理由だ。
植田総裁講演でいわく
「『中央銀行は、いくら赤字や債務超過になっても問題ない』とは言えません。中央銀行の収益や資本の減少をきっかけに、中央銀行への信認が低下すれば、金融政策運営には悪影響が生じます。学界や国際機関の議論についてご紹介したように、中央銀行の収益や資本の減少が信認の低下につながるメカニズムについては、様々な理論が示されています。だからこそ、このところ収益が減少している海外中央銀行では、一時的に赤字または債務超過となっても政策運営能力に支障は生じない旨を説明しつつ、同時に、財務の健全性確保のために、必要な各種の対応を講じているのです。
以上が、中央銀行の財務と金融政策運営に関する日本銀行の基本的な考え方です。まとめると、通貨の信認は、適切な金融政策運営により『物価の安定』を図ることを通じて確保されるものです。そうした前提のもと、中央銀行は、やや長い目でみれば、通常、収益が確保できる構造にあるほか、自ら支払決済手段を提供することができます。したがって、一時的に赤字や債務超過になっても、政策運営能力は損なわれません。ただし、いくら赤字や債務超過になってもよいということではありません。中央銀行の財務リスクが着目されて金融政策を巡る無用の混乱が生じる場合、そのことが信認の低下につながるリスクがあります。日本銀行としては、こうした考え方のもとで、財務の健全性にも留意しつつ、適切な政策運営に努めていくことが適当であると考えています」。
5.「ポプリズム政治は国民を地獄のドン底に突き落とす最悪政治である」(再掲)
今の円安とインフレはバラマキや減税の当然の帰結である。円安は日米金利差というみみっちい話ではない。
ポピュリズム政治が今まさに更に激しく押し進めようとしている。
物価高と消費税上げは「モノの値段が上がる」という意味では国民にとって同義
だ。要は、ばらまきや減税というポピュリズム政治は、近き将来の消費税上げか(それと同義の)物価高を招く。ばらまいたものや減税分を政府はきちんと回収する。
その際、中央銀行の財務が破綻すれば、ハイパーインフレ到来で、国民は地獄を味わう。
ポピュリズム政治は国民を地獄のドン底に突き落とす最悪政治である。そういう政治を国民が選択するのなら地獄を味わうのも自己責任でいたしかたない。
それを是としない人はドルを買って自己防衛をするしかない。