「時価会計で債務超過になれば危険」「10年金利1.5%超えはまだまだ序の口」「昨日の計算委員会⑤ 対内直接投資で余剰労働力解消を」

2025年05月21日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません

私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

 

1.「メガ銀 関税リスクに備え」

昨日の日経新聞によると「懸念はトランプ米政権による世界経済の混乱だ。これまでの勝ち筋がオセロのようにひっくり返り、負のスパイラルに陥る不安が頭をよぎる」として引当金を積み増しているそうだ。一方、株価はトランプ関税を物ともせず元凶だ。メガバンクの不安が杞憂なのか、それとも日本の株式市場が能天気なのか?結論は近じか出る。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88774720Z10C25A5EE9000/

 

2.「時価会計で債務超過になれば危険」

本日の日経新聞によると「金融庁が全国の地方銀行に対し、金利上昇期に発生する預金流出リスクに備えるよう警鐘を鳴らしている。米国では金利上昇に耐えられなかったシリコンバレーバンクが経営危機に陥り、連鎖破綻に発展した」そうだ。

時価会計で債務超過になれば危険である。

時価会計で債務超過と言う事は、その時点で負債(大部分が銀行預金)が保有している資産よりも多いということ。皆、返済原資が枯渇する前に先を争って預金を引きおろそうとする。融資が少なく、国債を大量保有し、また時価評価を逃れるために、国債をS P Cへの貸金に変えて大量保有している地域金融機関は極めてもろい。このような警告を金融庁が発出する事は地域金融機関の状況が厳しいことを国民に知らしめてしまうリスクはあるが、それを承知で警戒警報を鳴らさざるを得ない状況に陥っていると言う事。 もっとも、それ以上に1番危ないのは国債保有残高の半分以上を保有している日本銀行。 ただ日銀は金融監督庁の監督下になく、敢えて言うならば国会の監督下なのだが、金融をわかっていない人が多い上に M MTに毒されてる人までおり監督機能はない。 マーケットという最大最強の野党が天誅を加えることになるだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD201IO0Q5A520C2000000/

 

3.「10年金利、ついに1.5%超え」

4月にトランプ関税による不景気予測で1.1%台まで下落した10年債金利が本日の海外市場では1.526%まで上昇してきた。連日じわじわ上昇している。日経新聞が衝撃的な入札不調と衝撃的な言葉を使用したほど超長期債の入札が悪いことが10年債の金利上昇のきっかけになっている可能性も高い。JPモルガン時代に入札に参加していたとき、私は大蔵省の顔色を伺って、インテンショナルOBを打っていた。すなわちギリギリ入札しないレベルを見計らって入札をしていた(全く入札しなかったり入札予定レートから大きく離れていると入札をおちょくっているように思われる)従って良い入札の場合は「なんちゃって入札」が含まれており.本当は良くない可能性もある。一方入札はそういうマニピュプレーションができない。したがって悪い入札は本当にセンチメントが悪い証拠と捉えて良い。

 

4.「10年金利1.5%超えはまだまだ序の口」

1980年4月、10年金利は11%まで上昇した。1.5%などまだまだ序ノ口。1998年のロシア危機の時など、ロシア国債は確か80%位まで上昇した記憶がある。ひょっとすると100%を超えていたかも。実質金利を非常に大きなマイナスのまま、長年据え置いたツケは極めて大きい。日銀の得意な言葉「累積効果」である。それに加えて、ガソリンの補助金等のばらまき、所得減税論などが火に油を注いでおり、異常な物価高が間近に迫っている。膨大な債務超過に陥る可能性のある地域金融機関が多いことや、それ以上に自分自身の債務超過による自死が恐ろしくて日銀は動けない。日銀と円は終わっている。バラマキと財政規律の無視のコストは極めて高い。

 

5,「財政状況は、対GDPで見るのが世界の金融論の常識」

池田信夫氏が以下のツイートを捨て板

「財政状況を何で見るかによるが、長期金利(10年物国債)でみると、  日本1.5%  ギリシャ3.3%  アメリカ4.5% 少なくとも債券市場は「日本がギリシャより危ない」とは見ていない」

以下のように反論した。

「財政状況は、対GDPで見るのが世界の金融論の常識。ごく大雑把に言えば税収はGDPと比例する。すなわち対GDPの債務残高とは税金でどのくらい借金返済が可能かのランキング。世界でスーザンについでダントツに借金の対GDP比が高い日本はもう税収では借金を返さない。目に見えない税金、すなわちインフレ税でしか借金返済は不能。日本の貯金金利がダントツに低い理由は日銀が膨大しているから。ピリオッド。どんなマーケットでも今まで参加していなかった人が、急に買い手として現れ売りの6割から9割を買い占めていれば、価格が暴騰(=金利で言えば暴落)するのは当たり前。世界のマーケットで、中央銀行が市場のモンスターでいるのは日本だけ。長期金利のレベルが財政の悪さを示すのは、市場原理が働かない参加者が参加せずマーケットがefficientな時だけ」

 

6 「利払い費が低いのは日銀が国債爆買いをして金利を低く抑えているから」

上記に対し、池田信夫氏が以下の反論をよこしてきた。

「政府債務(ストック)をGDP(フロー)で割るのは無意味な指標。ブランシャールのように利払い費対GDPでみると今は2.5%で、日本はG7で下から3番」

以下のように再反論した。

「ブランシャールが何と言おうと、利払い費が低いのは日銀が世界の中央銀行の中ではありえないほどの国債爆買いをして超金利を低く抑えているからに過ぎない。歴史的にもハイパーインフレを招くからと伝統的金融論では禁じ手中の禁じ手と言われる財政ファイナンスをやめたら、日本の国債の金利支払額は爆暴騰。

 

7・「昨日の計算委員会① トランプ関税交渉、日本には突っ張ってる余裕はない」

一昨日は経済産業委員会で一般質疑。トランプ関係について聞いた。

トランプ大統領は「日本は米を買ってくれない」、「日本はアメ車を買ってくれない」としばしば日本への問題解決のヒントを発していた。

したかって、この二点を解消しないことには、米国は納得しないだろう。

トランプ関税で妥協が出なければ、他国は不況になるだけだが、日本は不況になるだけでなく、マーケットの混乱に伴ない、地域金融機関や中央銀行が存続危機に陥るリスクのある脆弱国家だ。「関税撤廃を説得する」などと、つっぱっている時間的余裕はない。そうであるならば、「日本はアメ車を買ってくれない」とのトランプ大統領の最大の不満を解消する道しかない。

 

8.「昨日の計算委員会② 日本メーカーの米国産車はアメ車」

先日、ブルームバーク社が「GMがトランプ関税で大打撃を受ける」とのニュースを流した。GMは韓国etc.で、多量の車を作り、米国へ輸出しているが、米国にとって外車の認識で25%の関税をかけるからダメージが大きいという話だった。

韓国で作られたGMの車が韓国車なら、米国で作られたトヨタ車はアメ車である。

米国で日本メーカー子会社を車を作れば、米国に法人税が入り、労働者を雇い、所得税収が入る。

一方、、日本へのメリットはほとんどない。日本人の職場が出来るわけでもないし、米国子会社からの配当金の5%(配当金の95%は益金に不算金)のみが、日本の親会社の収入になり、その法人税収だけが日本国へのリターンだ。もちろん日本人は職を得ることもない。

リターンの大部分は米国にいき、日本のものにはならない。だからこそトランプ政権は日本車メーカーの米国産車をアメ車と認定するのである。

 

9.「昨日の計算委員会③ トランプ大統領はMAGAを製造業で達成しようとしているのか?」

トランプ大統領は米国内への工場移転を求めてはいるが、MAGA (Make America great gain)を製造業で達成しようとは思ってはいないだろう。

金融やソフト産業でMAGAを達成させようとしていると思われる。しかし、金融やソフト産業だけでは、米国人労働者全部を雇用できない。製造業の米国内への招致は米国人に職業を与えるための施策であろう。

 

10.「昨日の計算委員会④ 日本人は逆輸入車を買わないか?」

米国からの逆輸入車は高くなりすぎ、日本人は買わないだろうという反論を聞くが、それならレクサスなどの高級車のすべてを米国で製造し逆輸入をすればよい。

もちろん右ハンドルの日本向仕様だ。ベンツ、アウディ、BMWなどを見てみればわかるが、高級車の購入車はステータスシンボル的な面があり、高少高くても売ゆきはそれほど落ちないと思料する。

逆輸入しかトランプ大統領の不満を解消出来ないのなら、逆輸入車を増やすしかない。

 

11.「昨日の計算委員会⑤ 対内直接投資で余剰労働力解消を」

逆輸入車の問題は、日本における工場の閉鎖である。

その問題には対内直接投資の誘致で解決しなければならない。それによって日本で余剰労働力を吸収する。

まさにトランプ大統領が、今、米国でやっているのと同じこと。。

日本への対内直接投資は、他国に比べかなり低い。これを上げる。

今後の円安を考えると、日本に進出したい外国企業はかなり増えると思われる。

政府は「逆輸入の促進ならびに対内直接投資を大胆に増やす」と2本立て施策に注力すべきだ。

そうしないと日本は終わる。ポピュリズム政治にうつつを抜かしている場合ではない。