「米格下げの影響は軽微、一方日本の格下げがあれば日本はアウト」「ベッセント財務長官と加藤大臣との会合後、為替のメッキがはがれるだろう」

2025年05月18日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません

私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

 

1.「米格下げの影響は軽微、一方日本の格下げがあれば日本はアウト」

「月曜のマーケットに米国格付けダウンのニュースがどれだけ影響するか心配」と昨日ニュースで言っていたが、米格下げは金曜日のNY市場終盤近くに出たニュースで、すでに咀嚼は終わっているだろう。ドル/円も一瞬145円を割ったがすぐ146円台後半に戻している。

そもそも最上級から1ノッチの下げなど影響はない。日本も今まで継続的に格下げをされたがマーケットが動いたことはない。

今、日本の格下げが危険視されるのは、あと2ノッチ下がるとジャンク債(投資不適格)扱いになってしまうからだ。A格からB格では見える警視kが大違い。

企業は国の格付けを上回れないのが原則だから、日本企業や邦銀はドル調達が不能になる。日本国債がパッシブ運用の対象から外れるから世界の投資家が日本国債投資から手を引く。

日銀がFade out し、世界の投資家が日本国債に投資をしなくなれば日本の長期金利は爆騰だ。日本国債最大保有者の日本銀行をはじめ、日本の地域金融機関はとんでもない債務超過になり消滅し、日本経済は終わる。・

 

2,「ベッセント財務長官と加藤大臣との会合後、為替のメッキがはがれるだろう」

先週後半は「加藤大臣がベッセント財務長官と為替に関して話し合う」とのニュースが円安進行を防止しているが、会談後はメッキがはがれるだろう。何も出てきっこない。円安の再度の進行が始まると思っている。

前にも書いたが、ベッセント財務長官と私はソロスファンドで3か月間だけだが同僚だった(小さな組織だ。特にフロントは)。

ベッセント財務長官は為替介入などに興味はない。為替介入ではファンダメンタルズに反した動きしか出来ないことは100も承知。なにせ彼は「英国中央銀行の為替介入」に打ち勝ち大儲けし「英国中央銀行に勝った」と称されるソロスファンドで働いていた男である。ソロスを去った後も、ドラッケンミラー氏の下で働いていた。ファンダメンタルズに為替介入など全く効かないことを英国銀行とのバトルで知っている。我々の思考経路からも充分学んだはずだ。

だからこそ、独立してから、ファンメンタルズに基づいた円売りで大儲けしたのだ。

ソロスの2大ファンドマネージャーだったドラッケミラー氏やニック・ロディッ氏も為替介入などファンダメンタルズの前には全く効力の無いことを知っている(年がら年中、議論していたからよくわかる。思考回路は私と同じだ)。

そこで学んだ彼が為替介入が効くなどと思っているはずがない。

為替が効くのは介入に金利の大きな動きが伴うときだけだ。米国が3%利下げをして、日本が3%の利上げを行うようなマグニチュードの金利の動きが必要だ。

しかしそんなことしたら日銀は即死もいいところ。

加藤大臣が帰国してから、ベッセント財務長官と為替の話をしたとのニュースが流れるかもしれないが「為替はどうでしょうかね?」「知らんですね」程度の話だろう。

それでも為替の話をしたことにはなる。

昔、日米円ドル委員会で、貿易摩擦問題の米国側責任者だった米財務官補が辞任してJP モルガンに入社した。彼はしょっちゅう来日し、大蔵省等を訪ねたが、私にしょっちゅう言っていたことは「私の発言がマスコミに載り何度も為替が動いたが、私の真意が市場に通じたことは一度もないぞ。たったの1度も、だぞ」だった。