1,「長期金利は2%、政策金利は1.5%へと上昇と予想」
本日の日経新聞の朝刊記事。タイトルは「三菱UFJ銀行副頭取、国債を徐々に積み増し 27年の政策金利1.5%も」
―>何、この記事タイトル?このインタビューで一番重要なポイントは関副頭取が現在1.56%の10年金利が「2.0%超に向かって上昇していく」可能性があると認識している点と、現在0.5%の政策金利が「1.5%で打ち止めとなる可能性も」ある、ということ。政策金利は1.5%以上に上昇する可能性もあることをにおわせている点だ。
保有国債を大量に日銀に売りつけてしまったメガバンクは大丈夫でも、相変わらず多額に保有している中小金融機関、生保、そして長期債をしょいこんでしまった日銀はどうなるのだ。生存可能とは到底思えない。
記事にいわく「三菱UFJ銀は保有する日本国債が約29兆円にのぼる」とあるが、いくら巨額保有者の三菱UFJが購入を増やしても現在590兆円も保有している日銀の替わりは出来ない。日銀が国債市場からFade outしていく以上、長期金利は急騰せざるを得ない。
関副頭取の発言でもう一つ重要なのは格下げの可能性に触れている点だ。これも記事タイトルには全く触れていない。
関副頭取曰く「参院選では財政拡張的な政策を掲げる政党が議席を伸ばした。財政の持続性への懸念が強まれば『国債の格下げリスクが高まりはじめる可能性は否めない』と述べた。邦銀は日本国債を担保に米ドルなど外貨を市場から調達している。仮に日本国債が格下げとなれば、『外貨調達コストの上昇はもとより、調達額自体の縮減に伴う外貨貸し出しの縮小といった、信用収縮の動きを招く可能性もある』と警鐘を鳴らした」そうなのだ。
――>三菱UFJ銀行副頭取が格下げリスクを気にしているという点は「これからちょっとずつ長期債買います」などという話より格段に重要なニュースのはずだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB284IO0Y5A820C2000000/
2.「ディーラーの心理はアナリストのそれとは違う」
昨日、以下のリツイートを私のXにいただいた。
「JGB10年のイールドカーブ、1年前は0.843%でしたが、今や1.571%ですから・・・ ホンマにヤバい」
以下のように回答した。
「当時(長期金利が0,6%の頃)、全員が全員10年金利が0.8%まで上昇したら買うと言う話ばかりでした(そういう記事ばかり)。結局嘘でしたね。当時の私はそれらのコメントは「0.8%になったら皆買うと思うよ。だから皆さん買いましょうね。そうしたら私も買いますから」という意味だと何度もした私のコメントが当たっていましたね。アナリストがそういっても恐怖と戦いながら戦う(実際にポジションを動かす)ディーラーの心理は違うのです」
3.「米国への80兆円の投資はドル高を引き起こすか?」
昨日、以下のリツイートを私のXにいただいた。
「米国への80兆円の投資は猛烈な円安を起こしますか⁇」
以下のように回答した。
「Yes」
4.「都市伝説を自分で確認せずSNS に載せない!」
昨日、以下のリツイートが私のXに来た .
「日銀幹部『日銀が債務超過になる』 ローレンス・サマーズ『それがなんなの?(So What?)』 竹中平蔵とローレンス・サマーズと日銀幹部が会食した時の会話」
以下のように回答した。
「単にどこかの教祖様が勝手に作り出した都市伝説ではないの?出展をご明示ください。ローレンス・サマーズ氏はそれほどアホではありません」
その後、先のリツイートの投稿者から以下の追伸が来た。
「竹中平蔵氏のどれかの新書に書いてありますけど、手元にないので、見つけたら明示しますよ。でも、これが本当だったら、『ローレンス・サマーズはアホですね。私のほうが正しい』となるんですか?」
以下のように回答した。
「早く教えて、あるのなら」
5.「金利上昇期に債券を保有視しぞけていいか?」
「価格が下落した債券をそのまま保有し続けても大丈夫か?」
以下のリツイートが私のX にきた。
「売り抜ける必要はないでしょう 持っていればいいだけです」
以下のように返信した。
「そして倒産するのです。1990年代後半の多くの生保の倒産劇もそれが主因です」
6.「日銀当座預金が巨大だからといって、お金が日銀に豚済みされているだけ、ではない」
最近、日銀当座預金の残高が多いことを持って、市中にお金が流れていないと言ってくる人が多いが、完全に誤解。ド素人の教祖様に騙されているだけ(というか教祖様が理解していないのだろうが)。
日銀が国債を購入すれば日銀当座預金残高は増えるが、市中にお金が流れていようが流れていまいが、日銀当座預金残高は一定。
日銀当座預金残高が減少するのは日銀が国債保有残高を減らした時のみ。銀行が融資を減らしても増やしても日銀当座預金の残高は変わらない。
融資を受けた人がマイホームを建てれば、建築会社に資金が移る。その資金はその銀行もしくは他の銀行の口座に移り、日銀当座預金残高は減らないのだ。