1「現在の日銀は株価本位制」
現在の日銀は「金本位制」ならぬ「株価本位制」である。
株価が下落すれば一巻の終わり。こんな中央銀行は他国にはなく、歴史上もない。
中央銀行たるもの「通貨の信用のために価格のボラタイルなものは保有してはいけない」は金融界の大原則だ。したがって、株を保有している中央銀行など日銀以外ない(スイスの中央銀行が多目的で少額保有しているのを除く)しかも日銀は日本最大の株主だ。
株ETFの保有をゼロに削減するには110年かかるという。その間に株価の暴落が起きたら、日銀は一巻の終わりだ。いわば「金本位制」の時代に「保有していた金が贋金」だと判明したのと同じ。
1989年12月に当時の史上最高値を付けた日経平均は10年後には7000円台に下落した。同じような下落が110年起こらないなど信じられない。現在の日銀が株を保有したまま、同じような事態が起これば日銀は3度くらい「とっかえ」がおきてしまうだろう。
2「何故に私は日銀が株本位制だというのか?」
現在日銀の保有国債の評価益損は(私の計算では)では30兆円を越す巨大さだ。それでもなんとか時価会計で純資産状態を保てているのは、本来中央銀行が持ってはいないいとされ、他国中央銀行などではどこも保有していない株の評価益のせいだ。
また現在のシニョリッジ(通貨発行益)はほぼゼロだ。
国債からの受取利息は令和6年度で2.1兆円。一方、支払金利は政策金利が0.5%だから約2.5兆円(=日銀当座預金残高500兆円×0・5%%)だからシニョリッジ(通貨発行益)はトントン(簿価ベースの話だ)
今後政策金利を0.75%に引き上げると支払金利は3.75兆円(日銀当座預金残高500兆円×0.75%)に増える。受取利息は2,1兆円+だからマイナスの通貨発行損が発生し始める。
(日銀保有はほぼすべてが長期国債だから、受取利息は、満期が来て新しいクーポンに変わる分だけだから微増)
通貨発行益がマイナスでもなんとか当期純利益を保てるとしたら株が順調な場合だけ。令和6年度も株ETF の利益1,9兆円様様だった。
全てが株に「おんぶにだっこ」が日銀だ。そんな中央銀行など世界中で、他にどこにもない。
株が下落し始めると日銀と円は一巻の終わり。長期金論の上昇で株が崩れれば一巻の終わりもいいところ。
それでも円を信用しているのはあまりにも楽観的だと私は思う。
放漫財政と財政ファイナンスのツケはかくも大きい。
3.「渡邉美樹5年後の夢を語ろう!」25/09/27放送分」
先週土曜(9月27日)に日ラジオ ニッポン放送に出演(「月刊フジマキタケシ」)しました。日米の金融政策等について15分ほどしゃべっています。
以下のニッポン放送のpodcastで無料で聞けます。
来週土曜日(16・20~16:50)にも出演です。
https://podcast.1242.com/yume/?ep=355
4..「美酒に酔う」
昨日は、涼しかったので、本当に久しぶりにテニスを2試合行った。
2試合目は、「氏家(元野村)&、松永(元経産省)」の麻布卒業組に6-4で逆転勝利。
気持ちよかった。夜、美酒に酔った。
そういえば、昔、高校野球の決勝戦を見ていいたら、TV アナウンサーが「今夜は優勝を祝い、美酒に酔うことでしょう」と言った。
「おいおい、高校生が美酒に酔ったら、法律違反じゃないの?」と思ったものだ。