1.「マーケットが誤解で動いたならば、動いた方向と反対のポジションを」
「財務省国債の買い入れ倍増」のニュースで米長期金利低下(=価格上昇)、株上昇、ドル円下落をしてはしゃいでいたが、マーケットが誤解していると思う。
マーケットが誤解で動いたならば、動いた方向と反対のポジションを取るのがリスクテークの鉄則。プロがプロたるゆえん。
2.「『FRBの国債買い入れ増』と政府の『国債買い戻し』は意味が違う」
FRB が「国債買いオペの額を増やす」のであれば、通貨発行増を伴うQTであり、長期金利が一時的に下がってもおかしくはない。(もっともインフレ懸念下でのQTは更なるインフレを引き起こし、長期金利はすぐに上昇してしまうだろう)
一方、政府に夜国債の買い戻しは財源がない。FRBのように新しく銀行間市場に流す通貨で購入という手段はない。新規の国債を発行して原資とする(事後的になるかもしれないが)しかない。
超長期債の売れ行きが極ま手悪くなったから、国債買い戻しをするのであろうが、まさか残存期間10年から30年の国債の買い戻しのために30年債を発行するはずがない。、5年、10年債の発行で徐行入資金を賄うのであろう。
要は10年以下の利回りを押し上げ、超長期債のイールドを押し下げるイールドカーブの修正でしかない。
それなのに昨晩のマーケットは騒ぎ過ぎだ。冷静な分析が出てくるにしたがってm、マーケットは元に戻るだろう。
3.「米国国債買い戻しの意味するもの」
日米の川瀬介入もそうだが、昨晩の米政府の『国債買い戻し増額』は日米政府が様々な問題に直面してきたことの表れだ。
両国とも財政規律の無視ということ、そして財政ファイナンスを行ってきたことの弊害だ。もっとも両社とも日本の方が異次元の規模で行ってきただけに日本の問題は極ま手深刻だ。
4.「国債買いオペで売り注文が殺到するのでは?」
1回あたり20億ドルを40億ドルまで買い戻しに応じるとのことだがこれは40億ドルの購入義務枠ではなく、単に上限が40億ドルに過ぎないということだ。
この入札は競争入札だが、現状の長期金利上昇傾向からして、売却オファーが相当に出てくる可能性が強い。
特に米国の投資家は時価会計を採用しているために(日本と違い)売却にとって、累積された評価損が実現損に替わるというデメリットがない(=昨日までの損失は時価会計によって、昨日までに計上されているから)
今後のマーケットビューで入札で売却をするか否かを決める。
昨日の発表で長期金利がかなり下がった(=価格が上昇)が、ここで売却オファーが集中するということならば米国投資家は長期金利がまだまだ上昇すると思っている証明になってしまう。
昨日の発表が裏目に出て長期金利の上昇に拍車をかける可能性はある。米財務省の危険な賭けである。
5,「金融危機の怖さ」
昨日の日経新聞の大谷喜一アインホールディングス社長の「私の履歴書」は何ともタイミングの良い(?)記事である。
昨今長期金利が世界的に上昇しているが、このまま上昇を続けると日銀が存在しうるかの大問題が生じる。金融危機が起きてももはや日銀が助けに入る力は、まったくなくなっている。
そんなときに金融機関の連鎖倒産が起きたらどうなるだろう。
日銀が連鎖倒産を助ける充分な能力のあった1997年当時でさえ民間金融機関が危険になると日本経済にとんでもない困難が起こることを思い出させてくれる回顧録だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD3046D0Q6A730C2000000/


