「入社3年 年収3000万円も」「ビットコイン1万ドル回復」

2019年06月23日

1.入社3年、年収3000万円も

ユニクロの柳井さんはさすがに目が早い。外資系氏同様の給料体系をいち早く導入することで一流の人材を大量確保するだろう。従来からの従業員にも夢が出る。仕事上、夢はとても大切だ。中国で元安が急速に進んでいた1980年代後半、私はJPモルガンに勤めていたが、NY本店からは米国人幹部が盛んに中国に出張していた。元安導入の中国が今後大いに発展すると読んだわけだ。ところが当時の日本では中国経済など話題にもならなかった。その中で唯一、中国に工場を進出させたのがユニクロの柳井さんだった。元安で日本円換算で超安くなった中国の労働者を活用しようと工場を中国に進出したのだ。私はかなり早い段階から、「日本人は柳井さんに続け」と主張したのだが、柳井さん以外はほとんど興味を示さなかった。中国進出は米国に5年は遅れた。日本人は為替の重要性に全く気づいていない当時から思っている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46464260S9A620C1MM8000/

 

2.ビットコイン1万ドル回復

「フェイスブックの仮想通貨「リブラ」構想が明らかになり仮想通貨への期待が再び高まっている。またヘッジファンドなど一部の機関投資家が株式や債券などとは別に、ビットコインに投資するケースが増えている。」ここまでが新聞紙面。まさに先日の「第5回 仮想通貨税制を変える会」での松本大さんお分析と同じだ。

ところが電子版になると「ただ高値で購入し損失を抱えたままの投資家も多く、今後は戻り売りも交えた荒い値動きになるとの見方も出ている」との文章が追加されている。新聞社としては記事に反して下落した時の責任回避のためにデスクが記者の記事にヘッジ目的で付け足したのだと思料する。

確かにこの数日間の急激な上昇を見て(特に最近参入した人達の)利益確定売りは出るだろう。しかし損失を抱えたままの投資家で心配になった人の損切りはすでに終わっている。購入価格に戻っての「やれやれ売り」は「もう仮想通貨はこりごりだ。2度とやるまい」と思う人達の行動だ。それより価格が上昇し評価益を抱える人が増えるにしたがって売り手は(特に日本で)減少していくと思われる。最高55%の税金を喜んで払いたい人は少なく税制改革を待ちたいからだ。もちろんアップ&ダウンはある。しかし売り手が減れば値段は上がる。これが30年間、マーケットで大勝負をしてきた私の経験によるコメントだ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46456860S9A620C1EAF000/

 

3.インパール作戦 75年

戦没者の方々のご冥福をお祈りいたします。インパール作戦とは殆どの日本兵が亡くなった史上最悪の作戦で無謀な作戦の代名詞だ。私をはじめ、現在の異次元緩和をインパール作戦に例える人が増えている。ハイパーインフレという大悲劇が予想されるのに途中撤退を否定し、行きつくところまで行ってしまう。異次元緩和は戦争ではないが、国民を地獄に落とす点ではインパール作戦と同じ。 出口のシミュレーション、すなわち日銀の脆弱な財務内容を「民には知らしむべからず」で、最後の最後まで突き進む態度は、米中央銀行の態度とは真逆。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14066878.html?iref=pc_ss_date

 

中国、陰る外貨パワー

日経新聞1面トップ記事。「『旅行や出張の度に少しずつ持ち込んだ日本円で買った』。東京都内の中古ワンルームマンションを昨年約千万円で購入した北京市内の会社員、温さんは打ち明ける」記事にはこうあるが、マイニングされた仮想通貨を日本におくり、それを円に換えてマンションを購入していると私は読んでいる。中国政府が取引所を閉鎖したり資本規制を行っても中国人は仮想通貨を利用し海外投資を継続している。政府と人民の知恵比べ。

ところでこの記事には「日本のように人件費や通貨が上昇し、貿易で稼げなくなった国は海外からの利子や配当といった所得収支の黒字に頼るようになる」とある。

かっての勢いを失った大英帝国が植民地をはじめとする海外投資でその後の繁栄をエンジョイしたように、それが本来あるべき姿だ。ところが日本は貿易黒字で蓄積された富を十分に海外投資してこなかった。日本の個人でどれだけの人が$資産等の海外資産を持っているだろう?為替は怖い、リスクがあると言って充分な投資をしてこなかったのだ。公的年金も同じ。

本来、皆が海外投資をしていれば日本経済が最盛期を過ぎても日本人は海外の経済成長の富の分配にあずかれたた。30年間で日経平均は1/2強に過ぎないのにNYダウは9倍にもなっている。私が30年来、強い国のリスク資産を買うのが金持ちへの道と説いてきた理由だ。皆が海外投資をしていれば、今頃、円安で日本経済は大復活していた。経済に疎い指導者の基では日本経済は弱体化したままだと思う。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO4637525020062019SHA000?disablepcview