(臨時版)本日第2弾・地銀は大丈夫か?日銀は株の世界で日本最大のloser)

2020年03月07日

1.日銀は株の世界で日本最大のloser

日経平均は122日につけた24,031円から昨日までに3300円近く下げた。日本株で損をした人、せっかくの儲けをフイにした方も多いだろうが、日本最大のloserは日銀だ。今年末には日銀が日本最大の株主になるはずだったからだ。株の下げで中央銀行が日本最大のloserになるなど私が金融マンだった時の常識ではありえない事象だ。日経平均1000円の下落で、日銀の株含み益は1.2兆円ずつ吹っ飛ぶ。日銀の年間純利益(=ほぼ通貨発行益)は約1.21.3兆円。この1か月ちょっとで、3年強に相当する通貨発行益を吹っ飛ばしたことになる。個人が年間所得の34倍を、所有株で、ぶっ飛ばしたら、ショゲる、と思う。個人はショゲれば済むが、日銀は日本経済の命運を握る。 

2.日銀保有資産の価値下落がハイパーインフレの原因

日銀は価格が変動するような株、長期国債、株を保有してはならない。信頼こそが中央銀行のすべてだからだ。保有商品の価格が下落すれば、中央銀行の信頼が傷付くとともに、その発行する通貨の価格が棄損するからだ。バランスシートでは「資産サイド」と「負債+資本金」がバランスする。バランスするからこそバランスシートという。(借り方)が縮小すれば(貸し方)も縮小する。(借り方)の資産価格が下落すれば(貸方)の負債である発行銀行券、日銀当座預金の価値も下落してこそバランスがとれる。円の暴落、ハイパーインフレ一直線ということだ。 

3.ベトナムの繁栄

昔、次男がベトナムに行って生春巻きを食べたせいで激しい頭痛と腹痛で荏原病院に隔離された。リーマンショックの直前の2008年の話だ、1か月後に私ども夫婦もベトナム旅行のはずだったが、怖くなりドタキャンした。そのベトナムの様子を今朝テレビでやっていた。そのテレビを見ていた家内から「すごいわね~。当時のベトナムと様変わりね。どうしてベトナムはあんなに発展したの?」と聞かれた。「別にベトナムだけがすごいわけではない。他国並みに発展しただけ。社会主義的運営で世界ビリ成長だった日本から見るから発展してるように見えるだけ」と答えた。ちなみにその15年ほど前JPモルガンの幹部会議がベトナムで企画された。戦争を終え資本主義に変わったベトナムを見ようとの趣旨だった。この企画のドタキャンは残念だった。しかし発展中のタイ、ベルリンの壁崩壊直後の会議等JPモルガンでは幹部に実際の現場を見せようとの文化があった。

4.中小企業の返済猶予要請 金融相、コロナで銀行に

異次元緩和で日銀の長期債爆買い(私が金融マンの頃は長期債など購入していなかった)、その結果長期金利が低下し、銀行の儲けの根幹である長短金利差が大幅縮小。青色吐息のはずの地銀にこんな要求をして、地域金融機関の経営は大丈夫なのだろうか?https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56511640W0A300C2MM8000/

 

5.政治の貧困は野党だけの責任か

本日の日経新聞「大樹小機」は?の部分もあるが大筋賛成。「第2次安倍内閣の経済政策は著しい金融緩和や財政拡大の「大きな政府」路線となった」「犠牲となっているのが保守本流の市場重視の政策だ」「国民に嫌われそうな構造改革は棚上げし、左派野党の政策を横取りする。それで選挙には勝てるが、口先だけの構造改革では日本経済の衰退は止められない」――>おおいにagree.https://www.nikkei.com/article/DGKKZO56514660W0A300C2EN2000/