.「いくつかの中央銀行がかつてのレッドラインを越えた」

2020年08月31日

婦人画報

1.「いくつかの中央銀行がかつてのレッドラインを越えた」

今から思うに、「いくつかの中央銀行がかつてのレッドラインを越えた」とのBIS(国際決済銀行)の報告書(7月1日の日経新聞)が転機だったかもしれない。あきらかに日銀を念頭に書かれた報告書だろう。日銀の国債爆買いなしには来年度の予算は組めない。その金主がレッドラインを超えたのだ。イエローラインではない。詳しく説明を受ければ、普通なら、病気を押してまで頑張る気力は無くなるだろう。もし、BIS の報告書が正しければ、円暴落、長期債市場崩壊、ハイパーインフレ一直線だ。政策ミスという人災が日本を襲う。ここまでくると、「財政ファイナンスは2度とやらない」と将来世代のために記憶しておくことしか、もはや出来ない。

2.日本が世界ダントツのビリ成長、「日本病」と世界から揶揄させる原因

昨日発売の婦人画報の私の連載タイトルは「ハイパーインフレのリスクと為替はどうつながる?」です。為替と言えば、私が1982年年、ロンドンに赴任した時のポンド/円はおおよそ440円近辺だった。当時の英国経済は「英国病」と揶揄されていた。その英国はサッチャー改革を期に大回復。その一方、日本は今や世界から「日本病」と揶揄されている。ポンドが強くなり円が弱くなって当たり前なのに、今やポンド/円は140円近辺。逆にポンドが弱くなり円が強くなっている。私が円が強すぎると主張する理由。逆に言えば円が国力に比べて強すぎたことが世界段トツのビリ成長に日本が陥いった主因。

私が1978年に米国に留学した時のドル/円は240円だった。当時、エズラ・ヴォーゲル・ハーバド大教授の「ジャパン・アス No1」と言う本が大ヒットしたくらいで日本経済全盛期だった。一方米国は「あの国は終わった」と言われていた。その米国が石油と情報を抑え、コロナワクチンさえ押さえ。世界断トツのNO1国家に戻っている。その一方、日本は今や世界から「日本病」と揶揄されている。ドルが強くなり円が弱くなっていいはずなのに、今やドル/円は105円近辺と逆にドルが弱くなり円が強くなっている。私が円が強すぎると主張する理由。逆に言えば円が国力に比べて強すぎたことが世界段トツのビリ成長に日本が陥った主因。ここに手をつけるのが日本経済大復活の処方箋のはずだった。後は社会主義的経済運営の放棄。婦人画報②