長期金利が上昇すれば日銀と円はアウト他

2020年10月06日

1.長期金利が上昇すれば日銀と円はアウト

一昨日更新したSNS では「米国金利が微速ながら上昇を始めた」と書いたが、昨日の10年米金利は8BP(0.08%)上昇した。日本国債がそれにつられて20数BP(=0.2%+)上昇すれば、日銀の保有国債は評価損となり、さらに上昇が続けば、簡単に(保有国債の額が莫大なために)巨額な債務超過に陥る。円暴落でハイパーインフレ一直線だ。そもそも経済原則から言えば株価と債券価格の上昇がともに上昇するのがおかしいわけで株価が上昇するなら債券価格は下落する(=長期金利上昇)。そうなれば日銀と円はアウト。日本国債に大きな影響を与える米国債の今後の金利動向は要注意だ。 

2.財政トリアージが不可欠 

Go to travel では、この機会に普段泊まれない高級宿に泊まろうということで、値段の高い部屋は争奪戦らしい。昨日の昼、偶然つけたテレビ(ワイドショー?)で「Go to eat Go to travel 誰が損をするの?」と聞いた若い女性の出演者がいたが、「誰も損しないよ」という感じで、番組は流れていった。この女性の質問は「誰が割り勘負けするの?」と質問するのが正しい。これに関する政府の支出は当面国債発行で賄われる。累積した赤字を返済するのが、将来世代ならば「割り勘勝するのは我々世代。割り勘負けするのは将来世代」もし累積赤字に耐えられなくなりクラッシュ(=ハイポアーインフレ)が起こるのなら、割り勘勝ちするのは高級旅館に泊まった人。割り勘負けするのはGo to travel に行かなかった人。しかし、割り勘勝ちした人もハイパーインフレで地獄のような日々に堪えねばならなくなる。今こそ財政トリアージが不可欠(歳出の優先度の決定。不況不急予算は削減)

3.国債の再購入は権利ではあるが義務ではない

「国債残高が増えてくると国の資金繰りは自転車操業になる」と書いたら、twitterに「借金は継続可能なのは知らんのか?」とお叱りのリツイートが来たので、以下のように返信しておいた。「国債には満期があります。債務の借り換え(満期を迎えた国債)を保有していた人が、償還を受けたお金で再購入してくれる可能性はあります。ですから国が国債を借り換えるのは可能なのは充分承知しています。しかし再購入は投資家の権利ではありますが義務ではありません。したがって借金は継続可能ですが、絶対継続できるわけではありません。したがって資金繰りは借金額が大きくなるほど自転車操業になるのです」