「備蓄米放出の次は備蓄原油放出?」「ボルカーショックの再来」.「The International Economy 寄稿」他

2025年06月14日

1.「備蓄米放出の次は備蓄原油放出?」

今朝の「原油急騰、イランのホルムズ海峡の武器化を警戒」の記事によると「最悪のシナリオとして市場で意識されるのが、イランがホルムズ海峡を封鎖し、船舶の通航を妨げることだ」。(ノルウェーの調査会社ライスタッド・エナジーのホルヘ・レオン地政学分析ヘッド)は「戦闘の拡大で『イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、原油価格は1バレルでさらに約20ドルは急騰するだろう』と話す。欧州指標が1バレル100ドルの大台をにらむ水準だ」そうだ。

言わずもがなだが、今後は物価上昇に大いに影響のある原油価格の動向には充分な必要がある。

ホルムズ海峡が封鎖されれば日本は「備蓄米放出」に続いて「備蓄原油放出」の必要が出てくるかもしれない。

お金をばらまきまくって、国の米びつは空になり(≒借金だらけ)、備蓄していた食料も原油も無くなれば、とんでもないことになる。

それなのに与野党とも参議院選でバラマキ合戦。

アルゼンチンのミレイ大統領ではないが、「我々(日本)には金がない」ことを認識しなければならない、借金で得たお金をいくら持ってても「お金がある」などとは言えない、それは国家であろうと家計であろうと同じ事。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR13DOP0T10C25A6000000/

 

2.「ボルカーショックの再来?」

 今朝、以下のようなリツイートが私のX にきた。

「日銀はすでに昨年7月にQTを開始して毎月の国債の買い入れ額を四半期に4000億円ずつ減額しており、来年1月からの四半期には月3兆円程度の買い入れ額になります 一方日銀保有の国債は満期が到来したものから償還されていきますので、徐々にですが確実に日銀保有国債残高は減っていく見込みです」

以下の要に反論した。

「このように書くと、いかにも日銀が粛々と保有国債を減額しているように聞こえるが、日銀のバランスシート回収(=お金の回収)は「確実に」ではなく「超超超微速前進」でしかない。そこまで市中にばらまかれたお金はじゃぶじゃぶ。物価上昇を止めることなど不可能。

来年1月からの四半期には日銀は月3兆円程度の国債買い入れ。保有国債の満期分が6兆円あるから差し引き月3兆円程ずつ減っていく。しかし、1998年の日銀の保有国債額は50兆円。今は580兆円。530兆円÷(3兆円×12か月)で15年かかる。しかも来年4月以降減額額の減額がマーケットで予想されているそうだ。

これでは、昔の伝統的金融政策の再採用に戻るまでに何年を必要とするのだろう。

1980年ボルカーFRB 議長はサタデイナイトㇲペシアル(金利を上げてもインフレが収まらずボルカーがインフレはお金の刷り過ぎと看破。政策目標を金利ではなくマネーサプライに置いた)で市中にばらまいたお金の回収に走った。

そのせいで短期金利は24%、m10ん弁国債は20%まで急騰。

その再現を予想する。政策金利は上げなくても市中金利の暴騰はありうる、しかしそれは法定通貨・円の終焉。

 

3.「国債買いの主役なし、虚を突かれた財務省 『長期金利8%』試算の警鐘」

6月10日の日経新聞1面記事いわく

「日本の国債市場が荒れている。巨額の発行が続くなか、日銀が国債買いを減らし、投資家の需要も盛り上がらない。金融緩和頼みを正す過程で生じるきしみが見え始めた。かじ取りを誤れば日本の信認を傷つけかねない危うさがある」

「政策当局者が話題にする恐怖の試算がある。(略)10年物国債利回りは50年に8%を超えてくる――。そんな未来を東京財団が予言した」

「企業や個人は安心してお金を借りられなくなり、経済活動は著しい停滞に見舞われる。国の利払い費が急増し、まともな行政サービスを続けることさえ困難が伴う」

「だが、小手先の対応だけでは終われない」

==>10年金利が8%などで終わるわけがないと思っている。1980年4月には11%を付けている。しかし8%でさえも日銀の債務超過は天文学的額となる。

世界が日銀や円などを相手にしなくなる。ドルにアクセスできる通貨を持たない国民は農産物も石油も輸入不可能になる。

そもそも日銀が国債を買ってくれるのが当たり前だと思っている人が多いようだが、私が金融マンッだった頃(2000年3月)までは日銀は国債などほとんど購入していなかった。回収できない金を市中にバラマキ、貨幣価値が棄損し、ハイパーインフレが起きた歴史の教訓をきちんと守っていたのだ。

それを黒田日銀が大破りした。他国も追随したが、日銀に比べればかわいいものだ。

異次元緩和を開始した2013年から日銀は国債発行額の60%から90%ものを買ってきたがFRBは2019年まではほぼ10%未満に過ぎない(2013年の26%を除く)

FRBをはじめとする他国中央銀行も同じことをしているから日銀も大丈夫などナンセンスである。

それまで買い手として存在しなかった機関が、今の日銀のように断トツの買い手となれば価格は暴騰し(=長期金利の急低下)、それが買いを辞めれば価格は暴落(=長期金利は暴騰)するのは、どのマーケットでも常識である。

もし日銀が買いを辞めなければ、世の中に金は溢れかえり価値が棄損(=強烈なインフレと円急落)は避けようもない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB0363N0T00C25A6000000/

 

4,「中央銀行が政治から独立していることの重要性」

本日の 磯野直之氏(元日本経済新聞記者。元日経QUICKニュース社のデスク、部長)の今朝のX への投稿、まさにそう思う。

金融は、日銀野専門家に任せなければならない(黒田元日銀総裁は法律、立法の専門家で金融の専門家だとは私は思っていない)領域だ。だからこその中央銀行の独立性が重要。素人の政治家や評論家が口を出すと国を誤る。

「短期金融市場での金融調節の仕組みを理解している国会議員は、銀行で市場の実務を経験したり、中央銀行出身などごくわずかな人を除けば皆無だ。 米国でも日本でも、国会議員が無理筋の注文をする恐れがある。そもそも日銀の異次元緩和はそうした国会議員の無理解のなせる業だった。」

 

5.「The International Economy 寄稿」

The International Economy から久しぶりに寄稿依頼が来た。

昔の金融関係者ならば世界のだれもが知っているだろうスミック・メドレーの片割れDavid M. Smick 氏が創設した世界的に権威のある雑誌で欧米の金融関係者・学者の多くが読んでいる。寄稿は、金融マンとして非常なる名誉だと思っているので無償だが依頼は必ず受けてることにしている。

生半可な英語を書くわけにはいかないので時間をかけた推敲の後、いつもJP モルガン時代、そして(株)フジマキ・ジャパンでも部下だった中川陽君のチェックを受けていた。もちろんその後、雑誌の編集者がさらに英語を直してくれていたはず。

しかし、翻訳AIが非常に良くなったので、今回は日本語で書いた後、翻訳AIを使おうと思っている。これなら数日かけていた仕事が30分で仕事がおわりそう。

 

6.2006年のAI 翻訳」

2006年に米国のマスコミに出た記事を翻訳機にかけてみた日本語記事が残っている。それがこの下の写真にある記事。

中川陽君は、当時坊主頭をしていたが、見かけによらず(?)非常にまじめな男だ。そしてこの記事が出た直後に我が社を退職した。そのあたりを知らかったはずなのに写真の説明は(残しました;正確な翻訳は左)藤巻、(右翼:正確な翻訳は右)中川洋

翻訳は秀逸!(?)

これをみると、この20年近くでAIがとんでもないほどの進歩を遂げたことがわかる。

中川洋

7.「G9@如水会館」

10日(火)は一橋卒で、昔マーケットでブイブイやっていた人たちの定例飲み会。私と水野君(高校で同級生、大学では水野君がなぜか1年先輩)が最年少。石橋さんを除いて、みなバイサイドの著名重鎮だから当時のセルサイドは、会いたくてたまらなかった相手だ。

皆の年齢を考えて、初の昼開催@如水会館

皆、マーケットぁら離れて時間がたつせいでもあり、歳を取ったせいでもあるだろうが、マーケットの話はあまり出ず、話は世間話に集中した。

最後に興銀の常務執行役員、DAIAMの社長をされた中島先輩いわく「今日は静かな会だったな~。何せ、マーケットの話になる前にフジマキ君を抑え込んだからな~」。

口下手ですが、マーケットの話になるといつも口から泡を飛ばすんです。すみません(苦笑)

 G9

8.「橋本さんって首相と親戚?」

前述のG9の会で出た話題の一つが橋本元シンガポール大使/オーストラリア大使の話題。そこで私が話に割り込んだ。橋本さんのお嬢さんは、JPモルガンに入社して私の部下でした、と。

入社直後、昼食から帰ってきた英国人の部下が橋本さんに聞いていた。「君は今の橋本首相と親戚?」と。「なに言っているのやら?外国人はそんなこと聞くんだ。我々日本人は、橋本という、ありふれた(?)名前を聞いても、『首相と親戚?』などとは聞かないよな~」と聞いたら「はい、そうです」の回答にびっくり。

採用面接のとき、そんなことおくびにも出さなかったじゃないか!

ところでつい先日の日経新聞を見ていて驚いた。その橋本嬢が、今や世界最大の投資運用会社となった日本でのブラックロック社の子会社の社長に就任したというのだ。おめでたい話だ。私が新卒としてJP モルガンに採用した人間が外資を中心に様々なところで活躍している。

 

9.「ミニクラス会」

私の議員としての任期満了までわずかということで、高校(東京教育大学附属;減筑波大学附属)のクラスメート11名が国会見学に来てくれた、国会見学の後、

国会食堂内で食事、宮沢洋一自民党税調会長(高校のクラスは違ったが、小学校。中学校で暮らすが同じだった人も多い)の部屋も訪問した。11名(男性7名 女性 4名)の内、 5名が大学の先生、シンクタンク勤務だったのが1名、官僚が1人、眼医者さんが1人と政治家のような世俗にまみれた人は我が校では極めて異端児なんだよな~。

クラス会1

10. 「林家木久扇師匠 米寿、 林家木久蔵師匠落語家生活30周年」落語会

昨晩は親しくさせていただいている木久扇師匠、木久蔵師匠の落語会@渋谷区文化総合センター 19時からに。

広い会場が満席。なにせ現笑点メンバー3人の豪華ゲストが木久扇師匠、木久蔵師匠に花を添えているのだから当然か。木久扇師匠、木久蔵師匠もいつにも増して面白かった。観客も大いに盛り上がっていた。広い会場の最前列のほぼ真ん中の席をいただき恐縮。

木久蔵師匠 木久蔵師匠2