「債券強気相場終了」「凋落甚だしい日本経済」他

2020年10月08日

1.「債券強気相場終了」

米通信社・ブルムバーによると、「ダイバーシファイド・ファンドの ロイ・ニーダーホッファー氏は「強気の債券相場が終わる」と予想し、「株安が進むたびに中央銀行は介入しバランスシートの規模を拡大せざるを得ず、今後インフレを引き起こす可能性があると予想される」と話した上で、 「長期債には全般的に、以前にはなかった下振れリスク(藤巻注:長期金利上昇)がある」と指摘したそうだ。そして外国為替相場は「何年もボラティリティーが抑えられているが、金融当局による前例のない規模の債券市場介入の副作用として全てが変わろうとしている」と分析している。長期金利上昇で日銀がアウト、円暴落で紙屑化という私の予想とうり二つだ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-10-07/QHS56PT0G1KX01?srnd=cojp-v2 

2.「凋落甚だしい日本経済」

昨日、元駐日米国大使のモンデール氏との話を書いたが、当時は大使に副大統領経験者を送って来るほど日本は米国にとって重要だった。経済が強かったからに他ならない。今は東証が1日ダウンでも世界の話題にさえならない。、日本経済の地盤沈下が、はなはだしい。なぜ政治家もマスコミも、そして国民も、危機感が無いのか?世界最大規模の財政出動をしたのに、40年間で断トツのビリ成長の根本原因を議論せずに枝葉末節ばかり議論している。大改革が必要。私の外国人部下が帰国時に必ず語っていた「日本は世界最大の社会主義国家(=大きな政府・規制過多・結果平等税制)だ」をまずは、認識しなければ日本の未來はない。真の資本主義国家への脱皮が必要。 

3.「日本国債を抱いたまま日銀と心中しようなどという外国人はいない」

テニス仲間が、一昨日に続き、「僕が驚いたのは現在外人が日本国債を正確には12.8%、150.1兆円も所有していること。5%程度と思ってたのが数年の間にこんなに増えました、外人はもう後には戻れないので、日本国債を紙切れにしない強力な働きかけをするので、我々が生きてる間は安全であると言えます、そして150兆円も買った事実は日本国債が安全である事の証左と言えます」というメール―を寄こしてきた。どこかの教授みたいに、著しい誤解を、堂々と主張するのはよくないので(笑い)、詳しく返事を書いた。なお、このテニス仲間は、人格者(?)ですから、単なる誤解です(笑い)。「昨日書いたように、ジャパンプレミアムのせいで、外国人はドルの「売って買い」(本日、ドルを売り先物でドルの買戻しの先物取引)をする際、かなり安い先物のドルを手に入れられます。(=日本人で言うところのヘッジコストの逆の大きなヘッジprofitが出る).その結果、例えば3か月、マイナス▲0.3%の円資金が出来るのです。それを0.1%で運用すると3カ月間で0.4%の利益が出るのです。それでは3か月の運用をどうするか?銀行預金という手もありますが、外国人は、10年の長期国債(現物)を買っているのです。そして3か月後の債券先物を売ります。東証は、国債の各銘柄ごとにコンバーションファクター(交換比率)を発表しています。そこで、3カ月先の債券先物を売り、購入した長期国債(現物)をその時に引き渡せば、いくら現金が入ってくるかが本日確定できるのです。要は「10年国債(現物国債)購入+先物売り」のコンビネーションで3か月間の運用をしているだけです。現物国債を買っても同時に3か月後には先物で売却(=現物引き渡し)をしてしまうのです。だから逃げ足は速いのです。12%の国債保有者が一度期に逃げ出したら国債市場は終わりです。日本国債を抱いたまま日銀と心中しようなどという外国人はいません。以上は私の実務経験からの推測ですが、まず正しいでしょう」 

4.「日米の政治家評価の違い

ビジネススクールで親友となり、私をJPモルガンに誘ってくれたニューヨーク種の弁護士ビルジャービスは、キューバ危機の時、核戦争を覚悟したと言っていた。キューバ危機やベトナム戦争を経験した米国人は、精神的に強く、的確な判断力がありそうな人をリーダーに選ぶ。リーダーが間違った判断をすると、自分の命と財産を失うからだ。危機を経験したことのない日本人は「面白そうだから。人柄がよさそうだから、和対ことをしなさそうだから、で政治家を選ぶ。留学や仕事で米国人と付き合っていると両国の政治家への評価の差を実感する・