「何をきっかけにXデイは起こるのか?」「『国債を3000兆円発行したら?』というアホ論

2020年11月28日

1.「ラジオ局ニッポン放送「5年後の夢を語ろう」

本日ラジオ局ニッポン放送(AM1242)「5年後の夢を語ろう」(16:20~16:50)に出演です。この番組はワタミ株式会社代表取締役会長兼グループCEOの渡邊美樹さんとテリー伊藤さんとの掛け合いで進行します。聞き洩らした方はラジコでも1週間は聞けます。 

2.「何をきっかけにXデイは起こるのか?」

今朝、私にtwitterに以下のメールが来た。「私は藤巻さんのシナリオはあり得ると信じてます。相場のセンチメントが変わるのは一瞬だし、瞬時にアゲインストポジション抱えたまま大相場で持ってかれる時の辛さは身に染みてます。なので、相場テーマになるのは、何がきっかけとなると思うか、ご指導賜りたかった次第です」

私の返事は以下の通り「外資の審査部が、日銀との取引を禁止するでしょうから、日銀の債務超過がきっかけになると思います(新中央銀行創設で再開すると思いますが)。日銀取引禁止(=日銀当座預金の閉鎖)だと、外資は日本の国債取引も株の売買も、為替の取引も出来なくなります。すべての決済は日銀当座預金を経由しますので。円暴落、長期金利暴騰(=国債価格暴落)、日本株の暴落です。

3.「国債を3000兆円発行したら?」というアホ論

今朝、私にtwitterに以下のメールが来た。「朝まで生テレビで森永さんは3000兆円まで国債発行大丈夫と周囲の多くの専門家が言うとの発言がありました。与野党ともストップの気配はないし、この分だと際限なく国債発行が続きそうですね」私の返信は以下の通り。「3000兆円まで国債発行大丈夫と周囲の多くの専門家が言うと」ーー>何という寝言を、と思いますが、どうせF教授とかではないでしょうか。彼を含め、専門家ではありません。マスコミで発言する人が専門家に見えても経験も基礎的知識もないド素人が多いですから。国債発行は継続してしまいそうですね。

国債3000兆円発行したら金利2%で利息60兆円。今年度当初予算の税収見込みが63.5兆円。発行時は0%でも満期時までに(集めた税金で)償還できていなかったら、その後の税収はすべてが金利支払いに(景気回復で2%以上になっていたら、さらにひどいことに)1980年4月は11%まで上昇しています。」 

4.「日銀の国債保有高」

日銀の国債保有高は今年1月から10月までに54.8兆円増えている。ほとんどが利回り0%の国債だろう。2020年3月末の地銀全体の国債保有額16.5兆円と比べて欲しい。その3.3倍をも買い増しているのだ。Theモンスター。計画経済国家.すでに発行国債の50%以上を保有している。こんな国はない。景気が良くなった時、どうやって保有額(=お金を回収)を減らすのか?売却すれば莫大な損失。償還まで保有していても政府が単年度で黒字化しないと償還する金はない(どんなに景気が良くなっても世の中にお金がうなっているということ) 

5.「地銀の生命線は長短金利差」

先日、私のtwitterに「地銀の収益の根幹は 長短金利差ではなく 貸付利息から預金等利子を引いた 利鞘ではないのでしょうか?」という質問が来た。私の回答は以下の通り。「10年物国債への投資を考えていただければ、地銀は10年の資金を集めて10年国債を買っているわけではありません。原資は、主として普通預金または当座預金(短期金利)です。融資(6ケ月、1年、2年)も同じ。普通預金(毎日引き降ろし可なので1日の超短期資金)が原資です。だから長短金利差が不可欠」