「第3次補正予算成立」「何故、政府は税金を取る必要があるのか?」他

2021年02月01日

1.「第3次補正予算成立」

28日木曜日に第3次補正予算が成立した。税収は当初予算より8.3兆円減って55.1兆円だ。当初予算ではその他に税外収入が6.6兆円あるがこれも多少は減っているとすると、今年度の税収+税外収入はおおよそ60兆円だろう。支出はなんと175兆円。収入の3倍もの支出をする。平時に健全財政を行っていれば、このような、一時的支出増も将来の増税で何とかなるだろう。しかしもう限界を越えている。市場が反乱を起こすだろう。それを政治家は「市場の暴力」と呼ぶと思う。しかしそれは健全財政を無視続けたツケである。人災だ。 

2.「何故、政府は税金を取る必要があるのか?」

昨日、テニス仲間から質問を受けた。「英ブリストル在住の13歳 エイミーの質問『政府は必要な時にいくらでもお金を刷れるの?だとしたら。なぜ税金は必要なの?』これをどう思うか?」だった。要はMMT 理論の真贋。私の回答は以下の通り。「政府は必要な時にいくらでもお金を刷れます。しかし国民や外国人が信用するお金を、いくらでも刷れるわけではないのです。日本が外国からモノを輸入し、そのたびに日銀が新しい紙幣を刷って渡していたら、外国人はどこかでモノを渡してくれなくなるでしょう。どこかの段階でお金の価値が暴落し、ハイパーインフレになってしまうということです。それが歴史の教えです。だから紙幣の印刷ではなくて税金でお金を集めねばならないのです。実際問題として、あとほんの少しでも長期金利が上昇すると日銀は莫大な評価損を抱え、時価会計で債務超過になります。中央銀行が債務超過で信用を失えば、その発行する通貨は暴落(=ハイパ^インフレ)です。日銀にその危機は迫っています。MMT 理論は日銀の倒産(=正確には新中央銀行の設立)とともに世の中から、再度消え去ると思います」詳しくは1月27日に発売した「藤巻健史の資産運用大全」をご参照ください。

日経宣伝⑩

 

3「感染症対策の減圧部屋」

病院のコロナ患者用ベット数が逼迫しているという。学生だった2008年、次男は医療状況視察ツアーでベトナムに行き、帰国後、激しい頭痛と下痢で、感染症指定の都立荏原病院に隔離された。入院したとき医師から「今は治療法が確立したから大丈夫ですが、昔はこの病院で(赤痢だか疫痢だか忘れたが)年間200名が亡くなっていました」と聞かされた私は青くなった。隔離されたのは減圧室で、部屋の中の空気が外部に漏れないようになっていた。また排泄物は部屋のトイレ内で殺菌され、その後に外に出されるとのことだった。息子は「こういう部屋を見れるのも勉強だ」と写真を撮って医学部の同級生に送っていたが、私は高熱と下痢が続く息子を見て、これはもうダメかと一時は覚悟したものだ。このような減圧室には他にも患者さんが入室していたが、夕食時になると皆、食堂に行き、一緒に食事を取っていた。減圧室から出られないのは息子一人。要は他の患者さんは減圧室を普通の入院部屋の代用で使っていただけなのだ。次男は、帰国直後にかかりつけの医師の処方した抗生物質を飲んだせいで、病名不明のまま1週間で完治し退院した。「もし、致死率の高い伝染病が蔓延したら、ベットが足らないですね」と医師に聴いたら、1人部屋を2人部屋にして対処するとの話だった。しかし、本当に蔓延したら全く足らないのは明らか。コロナは致死率が高いとはいえないから通常のICU で対処可能かもしれないが、罹れば50%、60%の確率で死ぬ伝染病だとしたら減圧室が無ければ対処のしようがないだろう。その減圧室は日本に何室あるのだろうか?今後は、コロナ以外の強烈な伝染病が、はやる可能性も考えて準備しておく必要があるのでは?

ちなみに、1か月後に私ども夫婦も友人を訪ねてベトナム旅行をするはずだったが、「息子でなく私だったら確実に死んでいただろう」と怖くなってドタキャンをした。その代わりに立山に紅葉を見に行った。その真っ最中に起きたのがリーマンショック。私は立山の山頂ホテルから証券会社、銀行に電話をかけまくりすばやい対処で自己破綻を免れ得た。しかし、もしベトナムに旅行していたら、と思うとぞっとする。その意味で私は感染症と次男のおかげで助かった。人生どう転ぶかわからない。ドラマやの~、だった。