「米国の長期金利はかなり上昇するだろう」他

2021年02月19日

1.「米国の長期金利はかなり上昇するだろう」

「米国のインフレ率と長期金利」に関して元日銀副総裁の中曾氏が本日の日経新聞に書いた論考だ。彼も米国長期金利の上昇をかなり予想しているようだ。私も米長期金利上昇で勝負する人が一番、利益を出す(個人なら債券ベアファンドの購入=長期金利が上昇すると利益が上がる投信)ように思う。一方、日銀はじめ、長期国債保有者は悲劇だ。早く逃げたほうがいい。中曾氏は、日本の金利に関しては「日銀が抑え込める」としているが、異次元緩和を推し進めた副総裁の一人である以上、そうコメントせざるを得ないのだろう。しかし、米国長期金利がかなり上昇し、日銀が長期金利を抑え込むのならば、日米長期金利差拡大でかなりのドル高/円安が予想される。そうなれば景気過熱で日銀も長期金利を抑えられなくなる。いずれにしても日本の機関投資家が、日銀と共に轟沈したくないのなら、長期債ショート、ドル・円ロングが唯一の方策だろう。中曾氏、日経新聞紙上でいわく現在、米国長期金利は緩やかに上昇しているが、依然として低水準にあり、債券市場はこれまでのところ、インフレ率の上昇を十分に織り込んでいないとみられる。しかし、期待インフレ率を示す一部の市場指標やサーベイ結果は20年の半ば以降、着実な上昇傾向をたどっている。インフレ率が予想以上に早く2%を上回る水準まで上昇すれば、市場はFRBの政策調整を視野に入れるので、長期金利への上昇圧力も高まることになるだろう」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH164JJ0W1A210C2000000/

 2.「FRB『物価上昇は一時的』」

1月下旬のFOMCの議事要旨では「市場が警戒する物価上昇は『一時的で長続きしない』と断じた」そうだ。日本のバブルを研究しているFRBは懸念すべきは物価ではなく資産価格であることは十分承知しているはず。引き締めを遅らせたいがゆえの方便だろうが、それにより長期金利の上昇は一層激しくなるだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69212060Y1A210C2MM0000/

3.「黒田日銀総裁 『金融緩和、相当長く続ける』ン?」

昨日の日経夕刊に載ってた記事。「金融緩和、相当長く続けるしか選択肢はない」の誤りだろう。金融緩和をやめれば、日銀は消滅(=円紙幣が紙くず)せざるを得なくなる(=新中央銀行の創設)からだ。日銀に出口(=異次元緩和との決別手法)はない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE182BB0Y1A210C2000000/