長期金利の上昇はまだ全くの序ノ口}

2021年02月20日

{長期金利の上昇はまだ全くの序ノ口}

米国の10年金利はついに1.34 %まで上昇してきた。本日の日経新聞には「(米国では)景気回復期待が高まり、市場の想定を上回って金利上昇が進む」との記述になっている。今の金融最前線にいる人たちは、年齢から考えて、リーマン・ショックという中程度のマーケットの揺れしか経験がなく、1980年代、90年代の激動のマーケットを知らない人たちで構成されている。それゆえ「マーケットは動かない」と思いこんでいる節がある。だから「市場の想定を上回って」の上昇が起こるのだろう。さらに日本人は「長期金利も中央銀行がコントロールできる」と誤解している。世界の金融界は、今でもそうは思っていない。つい最近までの金融界の常識は「中央銀行がコントロール出来るのは短期金利だけ」だった。そのことは肝に銘じておいた方が良い。鉄則に反して、中央銀行が長年にわたった市場を抑え込んできたゆえに、その反動は極めて大きいと思う。長期金利は爆騰する可能性がある。そうなると日銀をはじめ長期債の保有者は即死だ。その恐怖を経験として知っている市場参加者は今は少ないだろう。

株を購入している人は、その保険の意味でもTMV 等の債券ベアファンド(長期金利が上昇すると利益が上がる投信・日本の証券会社で買える)の購入が望ましい(プロなら債券先物ショート、プットオプションの購入、金利スワップの固定の払い等)が望ましいと私は思う。ちなみに異次元緩和を開始してしまったがゆえに、日銀は短期金利も、精緻にはコントロール出来なくなっている(特に金利上昇期)今や日銀は「政府の紙幣印刷所」以外の何物でもない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF172QG0X10C21A2000000/