「米失業率の5.8%は過去のFRBの目標6.5%よりすでに低い」

2021年06月05日

「米失業率の5.8%は過去のFRBの目標6.5%よりすでに低い」

市場が注目していた昨晩発表の非農業部門の就業者数は前月から55万人増えたものの市場予想に届かなかった。テーパリングの開始はまだ先との思惑が広がり、米長期金利は低下、それにつられドル/円も低下した。市場予想ほど雇用者数が増えなかったのは、この日経新聞の分析通りだろう。しかし失業率は前月の6.1%から5.8%に低下した。不思議なのは、FRB も市場もこの数字にほとんど注目しないことだ。バーナンキ前議長の時、FRB は失業率6.5%を目標としていた。6.5%程度に落ち着くまで事実上のゼロ金利政策を続けると決めていたのだ(以下の2012年12月13日の日経新聞ご参照)。実際、前回バーナンキがテーパリングを決定したのは2013年12月。2014年には失業率は、目標の6.5%を切り始めた。

現状の失業率5.8%とは、当時の目標に比べてもかなり低いし、また米国の歴史でも、決して高い方ではない。それでもFRB は目一杯の金融緩和を続けるのか、私は疑問に思っている。FRB がかっての6.5%目標を忘れているはずがないからだ。https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1302D_T11C12A2MM0000/