「べッセント財務長官は、長官になる前、円の長期的凋落を見越して、円売りで儲けた人」「為替と関税は逆の関係」「メガバンクトップが警告を鳴らす」他

2025年08月11日

1.「ラジオ・ニッポン放送『渡邉美樹5年後の夢を語ろう!』での発言は以下で聞けます」

これから毎月マーケット分析を行うラジオ・ニッポン放送「渡邉美樹5年後の夢を語ろう!」の第1回目は先週の土曜日(25/08/09放送分」に放送。

ニッポン放送のPodcast(以下のweb ページ)から無料で聞けます。https://podcast.1242.com/yume/

 

2.「ラジオ・ニッポン放送『渡邉美樹5年後の夢を語ろう!』の発言は以下の番組ブログでも無料で読むことが出来ます」

https://www.1242.com/yume5/yume5_blog/20250810-344428/

 

3,「べッセント財務長官は、長官になる前、円の長期的凋落を見越して、円売りで儲けた人」

以下のリツイートを私のX にいただいた。

「ベッセント財務長官は今日の日経でドルの基軸通貨を維持すると言っていますね・・基軸通貨の旨味をわかっていますもんね。また日本に関しては現在の円安は通貨安政策ではないと言っていますね・日本の財政問題を熟知しているでしょうからねえ。」

以下の回答をした。

「まさにその通り。べッセント財務長官は、長官になる前、円の長期的凋落を見越して、円売りで儲けたと定評のある人だし、マーケットの方が中央銀行より強いことを証明した(=英国中央銀行に勝ったと称される)ソロスファンドに勤めていた人だから」。

 

4.「為替と関税は逆の関係」

以下のリツイートを私のX にいただいた。

「全面ドル高になれば、アメリカのインフレは消えてしまいそう。 安い輸入品が続々入ってくるから、関税を最大限に上げるのかも? そうなればアメリカは負債を簡単に返せるな。 まぁ連邦司法が関税を違憲とするか分からないけれど」

以下の回答をした。

「たしかに、そうですね。確かにそうなると米国はドル高大賛成ですね。M A G A(make America great again)達成です。 為替と関税は逆の関係。日本の米(こめ)を例にすれば、ドル円が75円から150円になったことによって、米国米を日本円では半値で買えます。それならば日本の関税を半分にしても、日本の農家は150円時代と比べて国際競争力を失うことはありません」

5.「今までの格下げとこれからの格下げでは意味が全く違う。危険」

以下のリツイートが私のX にきた。

「今年5月、ムーディーズが米国債の格下げを行なった。結果は03年の日本国債格下げ時と同様、さざなみ程度の極めて微細な影響があったに過ぎない。 それについてベセント財務長官は問われ、こう答えた。 『国債の格付け?そんなもの誰が気にしてるんだ?』」
以下の回答をした。

「投資的確内(A)での格下げと投資不適格への格下げ( B)への格下げでは意味が全くちがいます。米国も03年の日本も前者。今の日本は後者への恐怖。だから三井住友FGの社長も心配している」

 

,「デイトレーダーの動きにごまかされるな」

以下、8月8日早朝に私がX に載せたリツイート。

明け方、ウォーラー氏が次期FRB 議長に有力とのニュースで円高に多少振れたが、誰がFRB 議長になろうと、日に日に悪化する日銀の財務状況はビタ一文改善しない。デイトレーダーの動きを気にする必要はない。円の100円単位、1000円単位、1万円単位のレベル決める(私は円は法定通貨で無くなると思っているから1ドル=1兆円の紙くず化もありと思っている)のは日本の財政悪化と、日銀の財務状況のみ。その他の要因はゴミ。

 

7.「景気安定化以上に財政健全化の重要性は大きい」

以下、8月8日の日経新聞「経済教室」(井堀利宏政策研究大学院客員教授)の論考。やっと日経新聞も日本財政の深刻な状態に関する論考や警告を次々と載せるようになってきた。このような状況になっても、何も対策を打たない人は能天気と言わざるを得ない。井堀教授曰く「全国民対象の減税や給付金はインフレ抑制に逆効果であるだけではなく、財政規律を悪化させ将来に大きな負担を生じさせる」。「我が国の財政状況は危機的で、少子高齢化の進展や、経済成長の鈍化も避けられない。将来を見据えると、景気安定化以上に財政健全化の重要性は大きい」

――>まさにその通り。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD231AH0T20C25A7000000/

 

8.「メガバンクトップが警告を鳴らす」

8月8日の日経新聞に出ていた「文芸春秋」の広告によれば三井住友FGグループの中島達社長が「消費税減税論にメガバンクトップが警告を鳴らす 国債格下げに気をつけろ」と寄稿しているようだ。普通、顧客にいろいろな政治信条を持つ顧客がいる銀行とか証券の幹部は政治についてのコメントなどしない。それなのに声を大にして警告しているのだ。いかに尋常ならざる状態に日本が陥っているかがわかる。

財政が一番わかっている矢野財務省元事務次官の3年前の警告もそうだが、事情が分かっている人の警告を無視し、ド素人の楽観論を信じるのは、あまりに能天気である。

やっと、専門家が警告を出すようになったのは、素晴らしいことだが、逆に言えば、危機が本当に迫ってる証左でもある。

 文藝春秋

9.「日銀は破綻しないのか?」

先日、以下のリツイートを私のX にいただいた。

「いつも勉強させてもらってます。 1つわからないところがあります。『財政ファイナンスで日銀が倒産』のところなのですが、財政拡張派の人達はそもそも破綻はないと言ってます」。

以下のように回答した。

「日銀は自分でお金を刷れますので、資金繰り倒産はしません。しかしながらお金を刷りすぎるとお金の価値が棄損(=インフレ)します。日銀の財務が悪化し日銀の信用は棄損するとハイパーインフレになります。日銀は物価をコントロールできなくなりコントロールするためには、健全な財務をもつた新中央銀行の設立が必要となります。中央銀行の取っ替えです。終戦後のドイツでは、ライヒスバンクと言う昔の中央銀行つぶして新しいブンデスバンクを作り、ハイパーインフレを制圧しました。去年だったか英国中央銀行が発表した論文でもハイパーインフレと財政破綻は国民負担という意味で同義語でありハイパーインフレは財政破綻の1種と断じています」

 

10.「物価高対策は日銀の仕事か?」

先日、以下のリツイートが私のX に来た。

「『物価高対策は日銀の仕事』 あれれ〜?石丸伸二も言ってたような… 経済のプロたちには至極当然な共通認識のようですね」

以下のように回答した。

「そうですね。経済のプロたちの至極当然な認識と言うよりも、金融論、財政論、経済論の基本のキであり、常識中の常識でしょう。

 

11.「菊池さん主催の飲み会」

8月7日の晩は、TVディレクターの菊池さん主催の飲み会。若い人がいろいろ気を使ってくださって楽しかった。

菊池さん

12,「元衆議院議員の田村さんとの再会」

マスコミ関係者の参加者が多いのだが、久しぶりに元衆議院議員の田村謙治さんにもお会いした。田村さんは財務省出身で民主党政権時代の財務副大臣。私は金融庁の審議委員だったが、田村さんは審議会には必ず出席、傍聴されていた。当時の審議会は故池尾慶応大学教授が座長で、のちに三菱UFJ グループの総帥になった平野さん野村アセットの社長になった柴田さんなどの論客。かなりの大物ぞろいだった。

田村さんが「この審議会で異彩を放っているのがFさん」とのコメントを彼のブログに載せてくださったことを思い出す。

Fさんとは明らかに私のことだ。外資勤務だったので、なんの忖度もなく発言していたからだろう。お役人にとっては「人選を間違えた」と思っていたかもしれないが、田村さんは好意的な意味で『異彩』と書いてくださったと思っている。

「円を国際化するにはどうしたらいいか?」とのトピックに対しての審議会だった。私は「今みたいに日本経済が弱いときに、円国際化の制度を構築しても円が国際化するわけではない。円国際化には日本経済が強くなるのが必要条件だ。もっとも、日本経済が強くなった時に、きちんとして制度がなければ円の国際化は難しいのも事実だ」」との主張を展開していた。

 田村さん

13.「リスク管理システムをつくった上で、リスクをとって初めて儲けが出る」

ちなみに上に書いた議論は「邦銀がリスク管理システムの構築」に関して、しばしばJPモルガンの仕組みを聞きに来た時に申し上げたのと同様の主張だ。

「リスク管理システムを行くると儲かると思っていらっしゃる方も多いようだが違う。リスク管理システムをつくった上で、リスクをとって初めて儲けが出る」と。

 

14.「日本人全員に抜かれた私」

『菊池さんの会』では全員の集合写真を、私のスマートフォンで撮った。皆さんからその写真、転送してくださいね、と言われたが「ごめんなさい。転送の仕方がわからない」と答えざるを得なかった。「やっぱり爺さんだ」と皆、思っただろう。

実は、私はEメールを使い始めたのは日本人で1,2を争うほどに早かった。日本よりかなり早くにE メールが不キュした米国の中でも、JP モルガンは会長方針でダントツに早くから使い始めた。その中でも私はheavy userだったのだ。会長がマネージングディレクター会議で、我が社で一番使用しているのはフジマキだ、とほめてくれたほどだ。(もっとも、それは英語が下手だったので、バイリンガルの部下に日本語を翻訳してもらって発信していたからに過ぎない。そうすれば電話で英語を話す必要がないからだ(苦笑)) Excel も、使いこなしていた。PL1やフォートランでのプログラミングもできる。卒業論文はコンピューターシミュレーションだ。

だが、長男にある日、言われた。「お父さんはIT に関して日本中の人に抜かれたね」と。その結果がこの日の無様な姿だった

 

15,「暑さに耐えかねて稚内へ。北海道旅行1日目」

暑さに耐えかねて先週金・土・日と北海道へ。この歳になると暑さがきつい。暑さ回避に金を使うのは寿命の上からも合理的だと判断した。稚内は風の街であり、風が恋しくなると、いままでも何回かでかけてきた。毎回同じホテルだ。春の太陽からうけるぽかぽかさと、心地よい風はいまだに人工的には作れていないと思う。

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16.「北海道旅行2日目」

2日目早朝は、さんぽで昆布の天日干しを見学に。前日の大雨のせいで天日干しはほとんど見かけず、漁も、刈り昆布ではなく拾い昆布中心だったようだ。

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(↑ 鷲の幼鳥か?

その後、豊臣温泉で日帰り温泉をして羽幌へ。

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(↓羽幌のすし屋からの帰り。20時)朝早い漁師町のせいもあるだろう。20時なのに帰りの道びは誰一人歩いていない。住人の方はうれしくないかもしれないが私はこのさびれた感じが大好き。 外国と違ってさびれた道を歩いても怖くないのは最高の贅沢。もっともクマに出くわすかもしれない怖さは、最近の熊遭遇のニュースで、多少あったが。ここも2.5キロくらい先の産中に熊がたとの掲示板は出ていたが。

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17.「北海道旅行3日目」

3日目は旭川から帰京。ドライブが好きというわけではないが、稚内から留萌までの道は私が大好きな道路の一つ。雄大さといういう意味では、日本の道というよりは留学時代に走った米国中央部の道を思い出してしまう。

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今回は時期が早かったようだが、牧草ロールが点在するときの景色は圧巻。

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この辺はいいホテルが少ないせいだろうか、インバウンドが少ないし、大型観光バスが行き来することもないのが気持ちいい。

 

18,「どこに行っても暑い」

今年は、涼しいと聞けば本当にそうかチェックしに出かけたが、結論は日本中、どこにいっても暑い。

我が家の子供たちの小学校時代、私立はいざ知らず、子供たちが通った区立小学校では「子供にクーラーは贅沢だ」と言っていたものだが、そんなこと言っていられない時代になってしまった・