「SVB と同じ日銀は何時まで持つのか?」「無責任な減税は危機招く」「日本では社会保障は所得の再分配。米国では保険」他

2025年08月20日

1.「SVB と同じ日銀は何時まで持つのか?」

ついに10年モノ 長期金利が1.6%を越してきた(1.067%)。昨日、入札のあった20年モノの3BP上昇して2,63%、30年モノも3BP上昇して3.18%、40年モノは4BP上昇して3,43%だ。

長期金利、長期金利の上昇は日銀、金システムにとって脅威だ。

2023年のSVB(シリコンバレーバンク)と同じ状況だ。

SVBは長期の運用資産に短期の負債という金利上昇期には最悪のポートフォー

リオを組んでいたので破綻した。

その何倍ものスケールで「長期の資産に短期の負債」を持っているのが日本銀行。

とんでもない債務超過に陥れば世界中から信用を失う。、その結果、その中央銀行が発行する通貨・円も信用が失墜する。円を放棄して新しい通貨を発行せざるを得なくなる。

まさに金融論の教えるとおりだ。「財政ファイナンスで通貨を発行し過ぎると、中央銀行とその中央銀行が発行する通貨は信用を失う。(=円は法定通貨で無くなる=円の紙くず化、とっかえざるを得なくなる)

 

2.「無責任な減税は危機招く」

本日の日経新聞・米ピーターソン国際経済研究所長 アダム・ポーゼン氏のインタビュー記事。日本のことは何も知らない、興味がない著名な欧米経済学者より、長年、日本を見てきた氏の警告には耳を貸すべきだろう。

現状分析は全く私と同じだ。

インタビュー記事曰く「(日本の財政を)非常に気にしている。(略)日本の租税負担は比較的軽いため、増税の余地があるとも信じられていた」「特に永続的に消費税を減税した場合、市場や投資家は非常に悪い印象を持つ。(債務残高などの)数字はこの5年で恐ろしい状況になっており、わずかな税収減や金利上昇が財政に大きな影響を生む」「そうした国の財政危機は(2022年の英国のような)金利の急上昇や為替相場の急落によって生じ、経済に大きな影響を及ぼす。政治の統治能力の弱体化に伴う無責任な財政政策は危機のトリガーになる」

氏が指摘するように「日本の財政状況が悪化しているにもかかわらず外国からの日本売りの仕掛けが入らなかった」のは、(異次元緩和前は)「日本の消費税は世界的にかなり低く、大胆な引き上げ余地がある」だった。

世界では、この主張が圧倒的で、私が「日本の政治では大胆な消費増税は難しい」と外国人に説いても主流派見解を変えられなかった。その結果は、市場の反乱は起こらずに済んだが、膿が大きくなり、財政規律の徹底的な悪化となったのだ。それが、今や、何と消費税減税議論である。もはや救いはない。

尚、氏は今後取るべき経済政策はとの質問に対して、いろいろなことを述べているが、そのような政策がワークしたのは10年前までの話、だ。今はもうハイパーインフレ税という目に見えない大増税しかないし、その道を一直線に進んでいる。ハイパーインフレは国民の財産の国への実質的な富の移行であり、究極の財政再建にはなるが、中央銀行のとっかえが必要(=円が法定通貨で無くなり単なる紙屑になる)になることの国民生活の地獄は想像だにできない。

ドルを買って個人的に備えることが一丁目一番地である。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO90774810Z10C25A8EP0000/

 

.「理由なく絶好調の時は注意したほうがいい」

一昨日以下のリツイートが私のX に来た・

「そんな先生のご心配を無視してマーケットは絶好調のようですなwww面白いです」

昨日、以下のように回答した。

「理由なく絶好調の時は注意したほうがいい。ブラックマンデーの時も、タテホショックの時も、資金運用部ショックの時も、リーマンショックの時も、皆がムードで有頂天になった時に起こっている。最も今回はお金をばらまきすぎると言う明確な理由があるか」

 

4.「消費税が日本を危機に追いやったのか?」

本日、以下のリツイートが私のX に来た・

「長年日本を見てきたなら気づくべき。危機を招いたのは消費税そのものだ。 消費税という安定財源で歳出シーリングは壊され、バラマキは膨張し放題。 「消費税減税は無責任」ではなく、消費税を存続させる方が無責任なんです」

以下のように回答した。

「ということは世界でも低い消費税率の内の一つの日本は最も財政規律が守られ借金が最も少ない国なわけですね。欧州の消費税はだいたい20%以上です」

 

5「日本では社会保障は所得の再分配。米国では保険」

本日、以下アのリツイートがわたしのX にきた

「日本の租税負担について、仮に社会保険料も含めると、現役世帯はリターンがないため世界でも有数の重税です。

高齢者から見ると、真逆の世界線でしょうが」。

以下のように回答した。

「社会保険料を含めると重税に感じるのは、日本では社会保険料が所得の再配分だからです。他の人の分まで支払っている。

その意味では確かに税金と同じ。  しかし米国では社会保険料は真の意味の保険です。米国の健康保険は「どの程度を

カバーする保険を選択するか」は自分の判断。高い保険料の健康保険から安いもの(=当然あまりカバーしない)まである。

ある保険を選んだら、収入が多かろうと少なかろうと保険料は同じ。だから重税感などない。  日本でも火災保険は純粋な保険だ。

所得によって保険料は変わらない。だから火災保険に対しては貴兄も税金とは同一に考えないだろう。

重税感の議論に火災保険料を含まて考えないだろう。米国では「社会保険料も含めると」などという議論は成り立たないのだ」。

 

6.「一橋大学講師兼モルガン銀行非常勤支店長の方がかっこよかったか?」

一橋大学ではモルガン銀行の東京支店長兼在日代表時代から毎週木曜日、非常勤講師として教え始めた。大西先輩から「モルガン銀行東京支店長兼一橋大学非常勤講師」よりも「一橋大学講師兼モルガン銀行非常勤支店長」の方がかっこいいからそう変えてもらえと言われた(笑)。

赤坂パークビルの上階にあったプールで毎日3時間は泳いでいたから木曜日は泳ぐ代わりに大学に行って教えていたようなものである。ポケットロイターでしばしばマーケットをチェックし、また何かことが起こればが部下から電話がある、その際は、授業をしばらく中断するからよろしくとも言っていた。その方が学生にマーケットの緊張がわかっていいだろうとのエクスキューズはした。最も結果として授業を中断した事は無い。まぁおかげで金融に興味を持つ学生が増え、金融関係のゼミを取る学生が急増したとの話は聞いている。

問題は1学期に1回は抜き打ち的に出席を取り、それを期末試験の点に加算していたことだ。自分自身は大学の授業にほとんど出ていなかったのに学生には出席を強要するとはなんたることか? 昨日、西武多摩湖線の中で走れコータローの山本コータロー氏にしばしばあったと書いた後、なぜほとんど授業に出なかった私が山本コータロー氏にしばしばあったのか不思議だった。で、今思い出した。55年近く前の事実を。。

 

8,「授業に出ていなかった私が何故山本コータロー氏にしばしば出会ったのか?」

1年生だったから、体育の授業があり、体育の授業は出席日数で単位がもらえたからだ。日数は、正確に覚えていないが、例えば10日以下の欠席で落第となる所9日の欠席、2回遅刻でギリギリ単位をもらえたのだ(3回の遅刻を1回の欠席とされた)。

思うに、山本コータロー氏も同じ時間に体育に出ていたに違いない。(他の授業にも真面目に出ていたのならごめんなさい)。学生運動真っ盛りで、就職天国でもあったよき時代であった。ちなみに私が3年次から入った岡本ゼミはスト破りでも有名で、我々は当時からバリバリの資本主義信奉者だった。それなのに今の日本は、JPモルガン時代の大部分の外国人部下が「日本は世界最大の社会主義国家だ」と言って帰国していったことからわかるように典型的な社会主義国家に陥ってしまった。情け無い。それが日本経済が40年間低迷した理由。格差是正を金科玉条の目標とする政治は国の活力を削ぎ国民全員を等しく貧乏にさせる。