「常識を逸した現在の日銀」「円安進行や物価高(=円の価値の棄損)は当たり前で止められない」「長期金利がバブル時並みに上がると国債の金利支払いのためだけに10%以上の消費税増税が必要になるのでは?」他

2025年08月31日

1.「常識を逸した現在の日銀」

現在、日銀は国が発行した国債の半分以上(大部分が長期債)を保有している。これは本来、中央銀行として論外な行為だ。 以下、1999年 2月15日日本銀行 政策委員会議長記者会見での早見優元日銀総裁発言。 「中央銀行の立場で国債を引き受けるとか、長期国債をどんどん買うというのようなことは、常識を逸したご意見ではないか——他の国の中央銀行でもそういう気持ちではないか——というのは間違いのないところである。 (略) そういうことがあるし、これは期限を切る、あるいは金額を限定するといっても、出始めるとなかなか2年、3年で止められるものではないと私は思っている。そういうことからも、このことはやるべきことではない」 黒田日銀は、伝統的金融論の原則を滅茶苦茶に逸脱した。その結果が(国債購入による)通貨の発行過多による円の価値棄損(=物価上昇、円安)だ。

 

2.「円安進行や物価高(=円の価値の棄損)は当たり前で止められない」

速水元日銀総裁が発言された直前の1998年末の日銀国債保有額は52兆円、今の保有高は568兆円と11倍。常識破り!!その結果、世の中にばらまかれたお金も10倍。1998年の60兆円(発行銀行券56兆円、日銀当座預金4兆円)から646兆円(発行銀行券117兆円、日銀当座預金529兆円)へ。ばらまかれたお金の価値が棄損するのは当たり前。

 

3.「一線を守っている他国中央銀行、一線を大胆に逸脱した日銀」

私が申し上げている主張・分析は伝統的金融論のド真ん中に沿っているはずだ。一方、黒田日銀以降日銀ががやっていることは、とんでもないほどに伝統的金融論から逸脱している。

日銀自身が“非“伝統的的金融政策と名乗っていることからも、(金融マンででなくても)おわかりだろう。伝統的とは「効果があることも副作用がないこと」も理論的に実証された政策」である。

FRB はじめ他中央銀行は伝統的金融論を逸脱していたとしても一線は守っている。日銀は一線を大胆に超えてしまっている。だから私は心配している。

 

4.「長期金利がバブル時並みに上がると国債の金利支払いのためだけに10%以上の消費税増税が必要になるのでは?」

令和8年度概算要求段階で、財務省は「足元の金利上昇をふまえて想定金利を25年度の2,0%から26年度は2,6%とした。日経新聞によるとこれにより「利払い費は24%増の13兆435億円になる」そうだ。

2025年度の10兆5200億円から13兆435億円になるわけだ。想定金利が0.1%上昇すると約4,200億円支払金利が増えるということ。

ところで現在の10年金利は1,6%。現在ミニバブルの様相を呈し始めているが、資産効果で経済が狂乱したバブルの時の10年金利は、はるかに高い(1985年6.58%、1986年5.45%、1987年5.0%、1988年4.81%、1989年5.3%。 1990年6.80%)。

1990年レベルに金利が上昇すると、国債費どころか金利の支払いだけで30兆円を超すことになるが、どうなっちゃうんだろう、この国は?国債の金利支払いのためだけに10%以上の消費税増税が必要になるのか?

もっともそこまで上昇しているときは当然、日銀はとんでもない債務超過で自滅し円も法定通貨で無くなり紙くず化しているだろう。が

 

5,「なに~、税収増加分を財源に?」

「税収増加分を減税として国民に還元せよ」と主張している政党が複数あると理解しているが、増収部分は借金返済に充てるのが筋だ。

税収が膨らんだ大きな要因はインフレだろう。インフレで個別商品の価格が上昇すればその10%である消費税は増えるし、労賃上げで所得税も増える。企業業績も一般的には上証するからだ。

しかし概算要求を見ていればわかるように、支出も増加する。インフラ整備もぐっじ品も物価高で投げするし、中央官庁職員の給料も、介護職等の給料も上がる。消防隊員、警察官、清掃作業員の人たちのキュ量も会があるから痴呆交付税も上がる。増収分を国民に還元してしまったら、この費用増分はどうする。更なる赤字国債債発行、その分の日銀国債購入(=通貨の発行過多=通貨価値のさらなる棄損=物価上昇)?

 

 

8,「令和8年度予算の概算要求を見ていると国はハイパーインフレによる財政再建を目指しているようにも思える」

「財政規律の無視(=ばらまき)と財政ファイナンスのツケはとんでもなく大きい」

私は「小さな政府&低い税意」論者だが、既にしてしまった借金は国といえども返済しなければならない。返さないとなれば誰も次に貸してくれない。国とて同じ。国は10年債を中心に国債発行によって借金をしているるが、10年債は10年たてば元本を返済しなければならない。返済資金が税収だけでは足りないから新たな国債を発行して、満期が来た国債元本の返済原資としている。1度でも借金を返さなければ、この返済原資用の新たな国債など誰も買ってくれなくなる。返してくれない人に、誰も金など貸さないからだ。

国と家計の違いは徴税権があるかないか、だけ。借金が貯まれば、大増税(=消費税か課税最低限の引き下げしか十分な税金を集める手段はない)か、もしくは目に見えない形の大増税であるハイパーインフレしか方法はない。まさか、昔のように戦争して他国から資産を分捕ってくるわけにいかないのだから(論外)。

令和8年度予算の概算要求を見てみると、明確にハイパーインフレで借金を貸せ王という方向に動いているようにさえ見える。日銀が金利を引き上げられないし、市中にばらまいた資金を回収できない事実を考えれば、この道は不可避である。国は究極の財政再建が出来るが、国民生活は地獄。財政規律の無視(=ばらまき)と財政ファイナンスのツケはとんでもなく大きい。

 

7.「9月には電気やガス代が値上がり」

9月の電気代、ガス代が政府補助の減額で値上がるするそうだ。

「異次元緩和は財政ファイナンスそのものではないか?」との私の国会質問に対し黒田元日銀総裁は「異次元緩和はデフレ脱却の目的だから財政ファイナンスではない」と答弁したていた。詭弁も最たるものだ。

それはともかく「デフレ脱却が至上命題」の黒田日銀に対し「インフレにすれば景気が良くなるわけではない。景気が世Kなった結果としてインフレになるのだ」と反論していた。

「そんなにインフレが契機に良くてインフレにしたいのなら、ガス代や電気等の公共料金や公営交通機関の運賃、学校給食費等を一律20%上げればいいじゃないか。右インフレになるが景気は悪化すると私は思いますがね」と反論したものだ。

さて9月の電気代、ガス代が値が利する。日銀のP大好きなインフレ(=物価上昇)だ。果たして黒田日銀が望んだように、景気上昇につながるんですかね?

 

8,「日銀元理事山本謙三さんとの対談」

本日、私のXに「休むも相場」さんがリツイートしてくださった、

「山本謙三先生と藤巻健史先生との対談動画、ポピュリズム政党の主張に騙されている方々に、本当に観て頂きたい」

https://www.youtube.com/watch?v=chQeYdZE6CY

2024年9月17日講談社現代新書より山本氏初の本格的著作となる『が刊行されたときに撮ったyou tube….

 

9.「フジマキはポジショントークお爺さん」

先日、以下のリツイートが私のン位来た。

「同じことしか呟かないポジショントーク爺さん」

以下のように阪神下。

「無責任に思ったこと言って、はずれて他人に大損させる一方、自分はなにもダメージを受けない人より、間違えていれば自分が一番ダメージを受ける人の言葉を普通は聞くんじゃないの?だから、私はヘッジファンドオーナーと議論を交わし尊重していたし、ヘッジファンドオーナーや世界の投資家は私の意見を聞いていてくれたんだと思いますがね〜.」

 

10.「慰労会。ありがとうございました。」

私は朝日新聞土曜版beで故弟・幸夫と一緒に8年間「藤巻兄弟」(連載タイトルは何度か変わった)、その後8年間週刊朝日で「フジマキに聞け」(連載タイトルは何度か変わった)を8年間の計16年連載をさせていただいた。非常に楽しかった。

当時まだ無名だった幸夫は「アエラ」で「伊勢丹のカリスマバイヤー」として紹介されたおかげでブレークし、福助の社長をやったり、参議院議員にもなった。それに引っ張られる形で私も思ってもみなかった参議院議員を務めさせていただいた。すべて朝日新聞社のおかげだ。朝日新聞社に載せていただいた文章は広島大学のAO入試をはじめ他2校での入試問題に使っていただいた。

また週刊朝日では同じ連載仲間ということで漫画「島耕作シリーズの作者弘兼 憲史氏ともお付き合いいただける関係にもなった。朝誌新聞社には感謝しかない。

先週27日(水)は、その週刊朝日時代に私の連載の編集者だった多田さん、中川さん。そし、今でも主張が似ていて、しょっちゅう意見を交わしている原さんの3人が、私の政治引退慰労会を串焼き屋さんで開いてくださった。感謝!食事はおいしく話は盛り上がり大変楽しい夜だった。ありがとうございました。

(↓写真は左から原さん、私、中川さん、多田さん)

 慰労会