1,「日本版サタデイナイトスペシャル我起こりつつある」
本日の日経新聞「忍び寄る70年代『大インフレ』の悪夢」では私が時々書くサタデイナイトスペシャル(ボルカーショック)にも触れている。悪性インフレを「お金のバラマキ過ぎ」と看破したボルカーFRB 議長(当時)は、政策金利でなくマネーサプライを政策目標とした。そのため金利の急騰(長期金利20%、フェッド金利24%)は放置した。
景気は悪化したが、最終的に悪性インフレを制御でき90年代の米国の黄金時代は彼のおかげとの評価を得た。
今の日銀は当時のFRB より格段にお金をばらまいている。そのうえ、物価制御の手段を今の段階で、ほぼ全て失ってしまっている。放漫財政と財政ファイナンスのせいだ。私が、とんでもないインフレが来て、最終的に日銀の信用失墜(-円の紙くず化)が起きると予想している理由だ。
ところで、本日の日経新聞「忍び寄る70年代『大インフレ』の悪夢」いわく
「結果的に米国の70年代は金融引き締めに失敗し、物価上昇率が二桁を超える大インフレ期となった。バーンズ氏は今も『最悪のFRB議長』の汚名を背負う。
目先の景気刺激にとらわれて金融政策を動かせば、インフレや経済成長の長期的な安定を損ねる」
「高インフレが定着すれば経済の制御は難しくなり、失業率の上昇も防げない。
「中銀がインフレ対策をしっかり実施するという信頼が損なわれれば、物価と経済の制御は一気に難しくなる」
「中銀がインフレ対策をしっかり実施するという信頼が損なわれれば、物価と経済の制御は一気に難しくなる」――>中央銀行の信頼が失墜すれば、その発行する通貨の信用も失墜。
私は当時の米国とは次元が違う大インフレそしてハイパーインフレが不可避だと思っている、日銀の金融理論からの逸脱があんまりに激しいからだ、
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN020C30S5A900C2000000/
2,「PB 黒字化は財政再建のスタートラインにつけただけ」
多くの日本人が誤解しているがPB 黒字化は財政再建では全くない。財政再建のスタートラインに立てるという前提条件に過ぎない。2010年のトロントサミットで、各国が財政再建目標で合意した。日本だけはその条件をクリアするのは無理ということで5周遅れのPB黒字化目標で納得して貰った。その目標さえ達成できずに、今や10周遅れと言ってもよい。
PB 黒字化が達成された後、r>であれば財政赤字は改善していくというのが有名なドーマーの法則である。すなわちPB 黒字化後、経済成長率が長期金利より高いのが財政再建への 必須条件だ。経済成長による税収増が、(長期金利上昇による)積財政赤字に対する支払利息増より大きくて初めて借金総額を減らせるという当たり前の考え。・
異次元緩和等で低く抑えられていた日本の長期金利は日銀のマーケットからの撤退(=正常化に伴い)で爆騰していくだろう。たとえ爆騰しなくても、経済成長率よりはるかに高くなっていくだろう。それがゆえにPB黒字化は、日本の場合、財政再建には全くつながらない。財政再建のスタートラインにもいまだつけないどころか、スタートラインについても財政再建はまず不可能なのだ。
私が、ハイパーインフレにならざるを得ないと長年予想している理由だ。国民は地獄を覚悟しなければならない。少しでも準備した人だけが救われる。
この現象は短期的に見れば放漫財政と財政ファイナンス、もっと根本は「結果平等(=究極の格差是正)、大きな政府、規制過多」の社会主義体質が原因だ。マーケットさえも、政府・日銀が支配した計画経済だ。市場経済(=資本主義)とは到底言えないのだからこの点を改善しないと日本の未来はない。
3.「日銀がさらに国債を買えない理由」
昨晩、以下のリツイート委が私のんXにきたa .
だから日銀が国債を買えばいい、とならないのはなぜ?
以下のように回答した。
「日銀が国債を買うとは市中にお金をばらまくということ。円の価値はますます棄損(=1万円札でほとんど何も買えなくなる)。物価上昇が止まらなくなり、とんでもない物価高。どこかで日銀の信用失墜でハイパーインフレ。日銀も円もThe Endだから」