1.「行ってこい相場」
F edはマーケットの予想どおり、0.25%の利下げを行った。驚いたのは発表直後にドル円が145円台前半まで突っ込んでいったこと。Sell the rumor buy the factではなく Sell the rumor sell the factとはなんたるド素人相場だと思ったが、朝起きたら147円近くまで戻っていた。
2.「パウエルFRB議長はバランスシート縮小を力強く宣言した」
議長の記者会見をライブで見ていたが、重要ポイントは政策金利を0.25%下げるのと同時にバランスシートの縮小を継続すると強調していた点。ばらまきすぎたお金の回収を継続すると言う事。物価上昇がお金のばらまきすぎで発生していることをきちんと認識している証拠。長期金利は上昇し、イールドカーブは立つであろう。 明日の植田日銀総裁は記者会見で同様に、長期金利上昇のリスクを取ってまでバランスシートの縮小を明言できるか? 今の減少ペースでは、バランスシートを正常時に戻すまでに(=バラマキすぎたお金の回収を完了するまでに)気が遠くなるほどの年月がかかってしまう。今の日銀では物価上昇に対する対策が全くとれないことを意味する。正当派金融論を大幅に逸脱した日銀とその発行する通貨円の未来は驚くほどに暗い。
3.「三井住友銀行@SMBCパーク栄(名古屋)で講演会」
1.週間前の木曜日は三井住友銀行@SMBCパーク栄(名古屋)で講演会。 政治家時代はほとんど講演会を行って来なかったため久しぶりの講演会。資料も新しいものをかなり追加し、力を入れたつもりだ。くたびれたが満足感あり。
3.「内海温泉」
昔のように講演会の前後には必ず温泉泊を入れる。今回は、前日は知多半島の内海のホテル。このホテルは2回目だが、料理人の方は超一流、景色もすばらしく、海風が気持ちよかったのも大いに気に入った。支配人のご挨拶もいただいて恐縮。
今年の夏は全国いろいろ泊まったがどこに行っても暑い。しかし暑くても風があると(もし湿気が低ければ一層)途端に別天地に代わる。
4.「下呂温泉」
三井住友銀行@SMBCパーク栄(名古屋)での講演会後は下呂温泉に。家内は内海から下呂に直行。
下呂温泉では、全く趣を異にして、昭和レトロの旅館に宿泊。これは後世にいつまでも残してもらいたい建物(国の有形文化財)。上皇上皇后両陛下がご来訪された際にご宿泊された「部屋に宿泊。私は皇室大好き人間なので、上皇上皇后両陛下が泊まった部屋に泊まれたのは感激だ。
維持するのが大変だろう。多少高い(特別高いわけではない)宿代は建物維持費代と割り切ることが肝要。
帰りは大雨で高山線が運休となり、帰京は3時間遅れ。くたびれた。
5.「近未来のドル円を連想させる馬瀬川の激変」
左は三井住友銀行@SMBCパーク栄(名古屋)講演後に下呂温泉に向かった特急の車窓から高山繊維沿って流れる馬瀬川のダム下の写真(↓)。大雨が降ったそうだが、東京(この日は目黒、世田谷、太田で大変な雨だったそうだ)に比べればたいしたことはなかった。
翌日、高山線が大雨で一時運休。運転再開後の下呂から帰京の際の車窓から(↓)。ダムの上流は線路横まで水があふれ、これなら運休致し方なしと納得。
前日と同じダム下の写真(↓)。
みち溢れた水がゴウゴウと下流に流れている、近未来のドル/円相場を連想させる。円からドルへ濁流のようにお金が流れる。
6,「昔のディーリングルーム」
家内は私の講演には全く興味を示さない。が、1回だけ聞きに来てくれたことがある。5、600人の講演会で、皆、一所懸命聞いてくださっている。が、後ろから3番目の一番右に爆睡している人がいる。「なんだ、あいつ|」と目を凝らして見たら家内だった。
全く私を信用していないから聞く気にもなれないらしい。普段、食事中のおこぼしが過ぎると怒られっぱなしの私だが、仕事になると、しゃきっと変わるんだといっても全く信じてくれない。
JP モルガン銀行支店長時代、「支店長は支店長室にいるときと、ディーリングルームにいるときでは目の色が違う。性格までも違ってしまう」と言われていた。
マーケットが荒れ始めディーリングルームの中に入ろうとすると部下のウスイ嬢が「支店長、自分はもう子供じゃないことを充分認識してくださいね」と注意をしてくれたものだ。
今は機械を通じた取引が多くなり静かになったようだが昔のディーリングルームは戦場だった。罵声が飛び交っていた。こういう場面がよくTVに流れていたからディーラーは体育会系、運動神経勝負と思われているのだろう。実は頭脳もそれなりに必要なのだ。
某社の某著名人は(もちろん私ではない)興奮してくると部下のネクタイをハサミで切りまくったそうだしJPモルガンの証券部門のプロレスラーのような米国人は、怒ってテレビスクリーンほどのでかいモニターの線を引きちぎって床に投げ飛ばした。数十万円した機械はおしゃか、」だった。
アドレナリンが出まくっていたのがディーリングルームだ。楽しい思い出だ。