1.「マンション賃料最高 8月東京23区」
本日の日経新聞朝刊によると、8月の東京23区の賃貸マンション平均募集家賃は、単身者向けやカップル向けなど全ての区分で過去最高値をつけたそうだ。
「分譲マンションの価格が高騰したことで、賃貸を選択する人たちも増えている」そうだ。1985年から90年のバブルの再燃を思い起こさせる。
バブル当時、私は日銀で「我々サラリーマンにとってパンや卵の値段が2倍になっても贅沢品への出資を削って何とかなるが、不動産価格が2倍になれば、我々は郊外に住まざるを得なくなり通勤時間が片道1時間半や2時間となる。そうなるとQOL(クオリティー・オブ・ライフ)は最悪だ。早く引き締めを図るべきだ」と何度も主張した。
しかし日銀は消費者物価指数が安定的(0.5%程度)とのp理由で言うことを聞いてくれなかった。その結果、後にバブルを急激につぶさざるを得なくなり「失われた30年」を作り出してしまった。
(私はこのように不動産価格の高騰に危機感を持っていたために、マーケットに懐疑的になり、バブル崩壊時、会社のポジションも自分の財産もダメージを逃れ得た。当時の各社債券チーフトレーダーたちは、その後、皆、消え去った)
実質金利がとんでもないマイナスで、資産価格が高騰している中で、日銀は屁理屈を言って金融超緩和政策を変更しない(口だけは引き締めつと言っているが)。 緩和を辞めれば金融システムも、そしてなんといっても日銀自身がおかしくなってしまうからだ。とんでもない物価上昇(お金の価値=日本に於いてお金とは円)が起こると私は思っている。放漫財政と財政ファイナンスのツケはかくも大きい。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO91536070V20C25A9QM8000/
2「住宅ローンは変動か固定かどっちがいいか?」
昨晩、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「これから住宅ローンを組む人は変動か固定かどっちがいいのか。 変動は政策金利に影響を受ける短期プライムレートに連動。固定は市場が決める長期金利に連動。 日銀が利上げできない、しかしインフレは進展、となるとやはり変動金利でしょうか。 ハイパーインフレ時はどうなるんだろ?」
以下のように回答した。
「断然に固定金利の借り入れが良い。確かに日銀は政策金利を上げられない。しかしながら日銀が政策金利で市中の金利をコントロールできなくなる日は近い。例えばインフレが20%になる時に日銀がいくら政策金利を今の0.5%かもしくは0.25%上げて0.75%にしたところで短期の銀行貸出金利やその他の短期金利は暴騰していく。前代未聞の事態。 政策金利で市中の金利をコントロールできないとは、日銀が中央銀行としての体をなさなくなるということ。 正当派金融論では、短期金利は中央銀行が、長期金利はマーケットがコントロールする、と教えるが、それが当てはまらなくなるのが近未来の日本。私が近き将来、中央銀行をとっかえざるを得なくなるという理由。放漫財政と財政ファイナンスのつけはかくも大きい」
ついでながら、すでに変動金利で借りている方も固定金利に(多少の手数料を払えば)変更可能です。」
3.「ドルは基軸通貨の地位を失うか?」
昨晩、以下のようなリツイートが私のX に来た。
「藤巻先生。いつも有意義な内容ありがとうございます。もし可能なら、ご教示ください。ドルの優位性が揺らいできています。人民元と2強になると思われます。これからは、人民元も必要でしょうか?」
以下のように回答した。
「資本規制をしている国の通貨が、世界の基軸通貨になる事はありえない。人民元が世界の通貨になるかならないかは中国が資本規制を解除してからの議論になる。確かに世界の国も通貨のばらまき過ぎでどの法定通貨も弱くなる(=インフレになると言う事)。しかしながら通貨は相対論。コインの表と裏が同時に出る事は無いのと同じ。為替はどちらの通貨がより弱くなるかによって決まる。米国は経済力、軍事力、政治力で、やはり世界ダントツ。エネルギーとITというこれからの経済のニ大資源も抑えている。中長期的に見てドルは最強。基準基軸でなくなるかどうかを議論するのは、まだまだ先の先の話。ちなみに世界ダントツで通貨を発行しすぎ世界で最もアグリーな財務を持つ日銀が発行する通貨円は最弱。放漫財政と財政ファイナルズのツケはかくも大きい」
4.「何故、日本の格付けはBBB (投資不適格)に落ち込んでいないのか?」
昨晩、以下のようなリツイートが私のX に来た。
「それじゃなぜ格付け機関は日本のデフォルト確率を高くしないのですか?」
以下のように回答した。
「格付機関の判断基準はCD Sと同様、財政が破綻するかのみ。ハイパーインフレになるかどうかは株付けの判断材料ではないから、日本の格付けは世界最低ではない。1人が臭いがをしている以上、日本が資金繰り倒産をする事は無い。 しかし日本の喫緊の課題はインフレから悪性インフレ、最後には日銀の信用失墜によるハイパーインフレ。 ハイパーインフレになろうが財政破綻をしようが国民が地獄を味わうのはどちらも同じ。放漫財政と財政ファイナンスのツケはかくも大きい」。
5.「金利を上回る成長率が有れば財政は成り立つか?」
昨晩、以下のリツイートを私のX にいただいた。
「高市早苗氏は金利を上回る成長率が有れば財政は成り立つ。と発言。 赤字国債を増加させるそうです」。
以下のように回答した。
「それは「基礎的財政収支(PB)黒字化が達成した後、長期金利を上回った成長をすれば累積赤字は縮小していく」とのドーマの法則の後半部分を述べたに過ぎない。都合の良い部分を都合よく解釈しただけ。第一にPBの黒字化は先送りばかりでいつまでたっても達成できていない。前提条件さえ達成できていないという事。しかも今まで長期金利が成長率より低かったのは、日銀が国債の爆買いをしていたから。日銀が国債の爆買いを止めれば、長期金利の方が成長率より格段に高くなるから、財政は改善しっこない。 もし日銀が国債の爆買いを継続すれば、世の中にお金がじゃぶじゃぶで、円の価値が棄損し、超大幅円安、インフレ加速。ひいては日銀の信用失墜でハイパーインフレ。ハイパーインフレ下での名目GDPは暴騰するから借金総額/GDPは、限りなく小さくなる。究極の財政再建だが国民生活はハイパーインフレで地獄。放漫財政と財政ファイナンスのツケはかくも大きい。」
6.「拙著「X デイ到来 資産はこう守れ!」
1914年に書いた拙著「X デイ到来 資産はこう守れ!」に関して以下の投稿をいただいた。この本のサブタイトルは「円安、物価上昇はこれ空が本番」だった。
ありがとうございました。
「中古の本屋さんで、藤巻さんの著書が、242円だったので即買い。242万円ぐらいの価値がある神棚の上に飾るような本だぞ。2014年当時、『アベノミクスは失敗する』と気づかせてくれたことには、心より感謝しています」